グレースケール・ビットコイントラストを運営する仮想通貨投資会社グレースケール・インベストメンツは12月26日、著名幹部の取締役辞任を発表した。
グレースケールの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)の創設者兼CEOであるバリー・シルバート氏がグレースケールの取締役を辞任する。同社は米国証券取引委員会に提出した8-Kで正式に発表した。
提出された書類によると、DCGのマーク・マーフィー社長もグレイスケールの取締役を辞任する。辞任はいずれも2024年1月1日付で、新たにマーク・シフケ氏、マシュー・クメル氏、エドワード・マクギー氏が取締役に加わる。
「2024年1月1日付で、取締役会はシフケ氏、クメル氏、マイケル・ソネンシャイン氏、マクギー氏の4名で構成され、彼らはスポンサーの有限責任会社契約に基づく役員としての権限も保持する」と発表されている。
グレースケールはSECにビットコイン(BTC)現物上場投資信託(ETF)を申請した14社のうちの1社で、グレイスケール投資信託に関して規制当局と積極的に協議を行ってきた。世界最大の仮想通貨投資会社の1つであるグレースケールは、2023年8月にビットコインETFの審査でSECに勝訴し、ビットコイン現物ETFの立ち上げに尽力してきた。
今回の役員交代が同社にとってどのような意味を持つかは不明だ。ネット上では、今回の辞任とグレースケールのビットコインETFが承認される可能性を結びつけるコメントも出ている。
「BTC ETFはもう決まったことだろう。しかし、SECは元ゴールドマン・サックス出身者を仮想通貨業界に送り込むのに必死になっていると言わざるを得ない」と、ある業界オブザーバーは新会長のシフケ氏についてX(旧ツイッター)に書き込んだ。
BREAKING:
— Bitgrow Lab⚡️ (@Bitgrow_Lab) December 26, 2023
Barry Silbert resigns from the board of Grayscale Investments LLC.
Sign of a #Bitcoin ETF? pic.twitter.com/9np08TCNNS
グレースケールの8-K提出書によると、新会長のシフケ氏は、金融と銀行分野で豊富な経験を持つ64歳の金融エキスパートだ。現在はDCGの最高財務責任者(CFO)を務めている。DCGに入社する前は、クラウドベースのソリューション企業BilltrustのCFO、モバイルバンキングプラットフォームGreen DotのCFOを歴任した。また、JPモルガンとゴールドマン・サックスでチームを率い、M&Aやアドバイザリー、税資産投資を専門としていた。