スイス中銀理事「政府発行のデジタル通貨は、金融の安定に脅威」

 スイス国立銀行(SNB、中銀)理事会のアンドレア・メクラー理事は、民間発行の仮想通貨は、中央銀行が発行する法定デジタル通貨(CBDC)よりも優位性があるとの認識を示した。コインテレグラフ・ドイツが8日に伝えた

 メクラー理事は民間部門のデジタル通貨は、CBDCよりもリクスが低いと指摘。さらに政府が仮想通貨を発行すれば、銀行の取り付け騒ぎの可能性が高くなると主張した。

「中銀発行の一般向けデジタル通貨は、キャッシュレス小売決済の効率化に必要ではない。アドバンテージはほとんどなく、金融安定の面からいうと、計り知れないリスクをもたらす可能性がある」

 メクラー理事はまた、分散型仮想通貨の問題を指摘している。事実上、交換媒介、価値の長期保存、価値の物差しという伝統的な通貨の機能に匹敵しているとは言えないからだ。

 分散型台帳技術(DLT)については、国際送金の場面においては透明性を高め、コストを削減するとの認識を示したが、データセキュリティと信頼性においては、即時グロス決済(RTGS)の条件を満たしていないと述べた。

 CBDCに否定的な同氏の姿勢は、世界中の他の国が、可能性を探っているのとは対照的だ。今月5日、インドの中央銀行はCBDCの発行を検討していると発表。3月には中国人民銀行が、人民元の強化のために独自の仮想通貨発行に興味があると述べている。また、フィンテック企業のR3社のリサーチャーが、今年中にCBDCは実世界に導入されるとの見解を示している。

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