米検索大手グーグルと親会社アルファベットのサンダー・ピチャイCEOは、次世代の人工知能(AI)技術と製品の開発に専念する別のビジネスユニットを形成するため、2つの組織を統合すると発表した。マイクロソフトが投資するOpenAIを意識した動きだ。

新たに設立されたユニットはGoogleディープマインドと名付けられ、Googleリサーチの「ブレイン」部門と、2014年にグーグルが買収したロンドンを拠点とするAI企業DeepMindが統合されたものである。新たに形成されたビジネスユニットは、AIの安全かつ責任ある開発における企業の進歩を加速させることを目指すとしている。

ピチャイ氏がグーグル内のAI人材を1つのチームにまとめる意図は「AIの進歩を大幅に加速させる」ことだ。GoogleリサーチとGoogleディープマインドのチーフサイエンティストであるジェフ・ディーン氏はピチャイ氏に直接レポートし、強力なマルチモーダルAIモデルのシリーズを構築するのが任務だ。

「AIは文明を破壊する可能性を持っている」と米電動自動車最大手テスラのイーロン・マスクCEOがのべていることを受け、ピチャイ氏は「大胆かつ倫理的な汎用人工知能の開発を確実にする。より有能なシステムをより安全かつ責任ある形で構築するためのユニット統合・新設」とした。

今後のAI開発がグーグル製品の強化に使用されることが明らかにされているが、実装の具体的な詳細は現時点で不明だ。

激しさを増す「AI開発戦争」。軍配はどちらにあがるのか目が離せない。

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