金の時価総額が過去最高の30兆ドルに　ビットコインは追随できるか？

金（ゴールド）が1オンスあたり4357ドルの史上最高値をつけ、時価総額は過去最高の30兆ドルに達した。

この節目により、金の時価総額は約2.1兆ドルのビットコイン（BTC）の14.5倍に拡大した。また、「マグニフィセント7」と呼ばれる大手テック企業群──エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン、メタ、テスラ──の合計時価総額（約20兆ドル）をも1.5倍上回っている。

企業株の時価総額が発行済株式に基づくのに対し、金の時価総額は採掘済みすべての金の推定総価値を算出したものだ。ただし、正確な量を把握することは不可能とされている。

金は今年64％上昇、BTCへの資金流入も期待

金価格は今年初めから64％上昇しており、ドルの価値下落、地政学的緊張、貿易関税リスクの高まりを背景に、安全資産としての需要が急増している。

多くのアナリストは、金市場が落ち着きを取り戻した段階で「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインへの資金が流入すると見ている。

仮想通貨アナリストのサイコデリック氏は木曜、「金はこの日だけで時価総額に3000億ドルを上乗せした。1週間でビットコイン1つ分の市場規模を増やしている」と指摘した。

「多くの人が理解していないが、金が一服した瞬間、ビットコインは急騰するだろう」と同氏は述べた。

ベンチャー投資家のジョー・コンソルティ氏も、「ビットコインが米株との相関性を緩め、特に地政学リスクが高まる中で金への資金流入が鈍化すれば、“次の取引”の主役となる可能性がある」と分析した。

アナリストのマーリン・ザ・トレーダー氏は、「世界のM2マネーサプライが急増し、金が上昇する一方で、ビットコインは眠ったままだ」と指摘した。

「この乖離は長くは続かない。流動性は必ずリスク資産に戻る。巻き返しの上昇は凄まじいものになる」と同氏は述べた。

現在、ビットコインは年初から約16％上昇しており、史上最高値からの下落幅は約14％にとなっている。