GMOインターネットは12日、2021年1~3月期の決算を発表した。暗号資産事業の営業利益は前年同期比843%増の40億2000万円となった。

暗号資産事業の売上高は377%増の68億円となった。決算説明資料によれば、売上高の内訳は、54億円が暗号資産交換事業によるもので、13億円がマイニング事業によるものとなっている。

GMOインターネットでは「市場の活況に加えて、5年来の投資が結実」したとし、暗号資産事業が「本格的な収穫期に入った」と強調した。

GMOインターネット 決算説明資料

GMOインターネットの熊谷正寿会長兼社長は決算説明会で「暗号資産事業が利益の3分の1を占めるまでになり、第三の柱になった」と語った。同社が手掛けるステーブルコイン「GYEN」のバイナンスでの上場や、近いうちに開設する予定であるNFTマーケットプレイス「アダム」など、「次の糧になる事業が成長している」とも強調した。

仮想通貨マーケットに強気

熊谷氏は、仮想通貨の今後の見通しについても強気の見方を示した。株式におけるPBR、もしくは不動産における公示地価といった基準となるものが「仮想通貨市場には今のところない」ため、マ―ケットに参加する人や資金が増えれば増えるほど、「資産の価格は上昇するという状況だ」と話す。

カナダでのビットコインETF(上場投資信託)登場や米国でのETF検討、テスラといった企業での仮想通貨決済導入といった要素もあり、今後の仮想通貨マーケットは「シュリンクではなく、拡大するだろう」と予測する。

「GMOインターネットは、暗号資産マーケットにおけるなくてはならないサービスインフラを提供しており、このセグメントの収益については強気だと考えている」

新たなNFTマーケットプレイスも

また熊谷氏は非代替性トークン(NFT)事業に対して高い期待を示した。同氏は、NFTトークンによって、電子書籍の二次流通を可能にするなど、著作権者や出版社のようなIP(知的財産権)ホルダーの収益化に革命的な変化をもたらせると強調する。

「ウィンドウズ95以来、IPホルダーはインターネットの登場で収入は増えていない。むしろ違法コピーで減ったかもしれない。NFTはIPホルダーに様々な還元方法をプログラムできるようになり、すべての問題を解決するきっかけになり得る」。

GMOインターネットではアダムというNFTマーケットプレイスを予定。法定通貨やクレジットカードで、NFTの売買ができるようにする考えだという。