世界第2位の資産運用会社であるバンガードは、資産担保証券(ABS)のデジタル化をテストするブロックチェーンパイロットの第1フェーズを完了したと発表した

このパイロットは、米国拠点のABSプロバイダーとバンガードのパートナー、分散型台帳技術(DLT)プロバイダーのシンビオント(Symbiont)、金融機関のBNYメロンとシティが参加し、DLTネットワークを使った証券決済のサイクルをモデル化した。

バンガードとシンビオントは、パイロットの中でスマートコントラクトをABSの発行および決済プロセスに統合し、「情報フローの増加、価格発見と流通市場の流動性強化」および主要な企業行動の自動実行を行うことを目指した。

4月30日時点で、バンガ―ドは世界で5.7兆ドルの資産を運用しており、3000万人の投資家に425を超えるファンドを提供している。

バンガードがDLTで証券をデジタル化

バンガードの投資管理フィンテック戦略グループの責任者であるウォーレン・ペニントン氏は、今回のパイロットプログラムを「未来の資本市場のためのより効率的なビジネスモデル」を目指すと説明している。

「ABSの発行プロセスをデジタル化および合理化することにより、コストを削減し、リストへのエクスポージャーを最小限に抑えながら、取引の速度と透明性を向上させることができる」

シンビオントの最高経営責任者であるマーク・スミス氏は、パイロットプログラムを「ブロックチェーン技術を通じて根本的に変化する資本市場インフラにおける重要な前進」であると説明し、さらに次のように述べた。

「2020年は、はじめて市場参加者が台帳ベースのライブ発行を見ることになる年になるかもしれない」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン