仮想通貨取引所コインベースは、破綻した仮想通貨レンディング企業ジェネシスによるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)による売却が仮想通貨市場に混乱をもたらすことはないと分析している。コインベースは、売却される資金の大部分が仮想通貨エコシステム内に留まると主張しており、市場への影響は限定的であると主張した。

ジェネシスは2月14日、債権者に返済を行うために約13億ドル相当のGBTCを売却することを、破産裁判所から許可された。

しかし、1月10日にグレイスケール・インベストメンツがGBTCをビットコイン現物ETFへの変換が承認された後、GBTCは50億ドル以上が流出しており、これがビットコイン価格の上昇の勢いを削いでいるという指摘も出ている。仮想通貨業界では、ジェネシスによるGBTC売却が承認されたことで、ビットコイン(BTC)価格にさらなる下方圧力がかかるのではないかと懸念されている。

コインベースは週次レポートの中で、更なるGBTC流出が他のビットコイン現物ETFに流入するのか、あるいは債権返済のために直接ビットコインに流入するのかは不明であるとしながらも、資金は仮想通貨エコシステム内に留まる可能性が高いと指摘している。

「これらの資金の大部分は仮想通貨エコシステム内に留まり、市場全体への影響は限定的になると考えられる。」

コインベースは、破産計画の規則により、ジェネシスは債権者の代わりにGBTCを基礎となるビットコイン資産に変換するか、株式を直接売却して現金を受け取ることができることを説明している。

確認審理は2月26日だ。

ジェネシスは、359億株のGBTCに加えて、870万株のグレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)と300万株のグレイスケール・イーサリアム・クラシック・トラスト(ETCG)を保有している。

一方、コインベースは、ビットコインETFの最初の30日間における純流入量が、ステート・ストリートのSPDRゴールド・シェアーズETFの最初の1ヶ月間の流入量を上回ったことを強調した。

Net inflation-adjusted flows and total assets of various ETFs. Source: Coinbase

スワン・ビットコインのシニアアナリスト、サム・カラハン氏は、Xで、ジェネシスのGBTC売却により、仮想通貨市場で「相殺」が起こると指摘している。ただ、売却されるビットコインを保有する債権者の数は不明であるという。

一方、ビットフィネックスのデリバティブ責任者ジャグ・クーナー氏はコインテレグラフの取材に対し、GBTC投資家に大幅なディスカウントが与えられていることが、ここ数週間の大量の売りの主な要因だと指摘した。