イギリスは、日本時間の明日午前8時にEU(欧州連合)から離脱する。これまで離脱の条件などをめぐって政治や社会は混乱したが、離脱が実現することでイギリスは大きな転換点を迎えることになる。

昨日、イングランド銀行は政策金利を据え置いた。金融政策委員会では、政策金利を0.75%に据え置くことを7対2で決定。昨年12月の総選挙以降、イギリスの経済状況は上向いていることに加え、世界経済も安定化したため、現時点での追加利下げは必要ないとの見解だ。

利下げを主張したのは前回と変わらずの2人にとどまった。マーケットでは利下げ主張が前回から増えるとの見方もあったので、ポンドは買いで反応。ポンド・ドルは1.3111ドル、ポンド円は142.71円まで上昇した。

昨日のNY時間には、WHOが新型コロナウイルス感染について緊急事態を宣言したものの、NYダウが急速に買い戻されるなど、リスクオフの流れが一服。リスク回避の円高も一旦落ち着き、12時25分時点のポンド円は142.78円と円安・ポンド高が進んでいる。

これまで新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して低リスク通貨とされる円は買われていたが、どこまで円安が進むかが焦点となるだろう。

ポンド円のテクニカル分析と相場見通し

今日のポンド円予想レンジ 142~143.50円

ポンド円のチャートは以下の通り。

ポンド円は、一目均衡表の雲の下限に沿って上昇。ただ、20日移動平均線や一目均衡表の転換線に頭を抑えられているので、これらの抵抗ラインを抜けることができるかどうかに注目だ。ただ、イギリス10年債利回りの低下傾向は続いており(下図)、引き続きポンド安への警戒が必要だ。