仮想通貨取引所FTXの約900万人の顧客リストは「非常に貴重」であり、公開されるとFTXの売却価値を損なう恐れがあると、FTX再建チームのメンバーが主張している。
6月8日の裁判所での審理で、FTXを担当する投資銀行パレラ・ワインバーグのパートナーであるケビン・コフスキー氏は、競合他社がFTXの顧客情報を入手することは「取引所の再建努力に悪影響を及ぼす」と述べた。コフスキー氏は、FTXから最大限の価値を引き出すことが再建チームの目標であると言う。取引所の再建努力の中には、困難な状況にある取引所の潜在的な売却を含むことができると同氏は述べた。
「既存の顧客ベースは非常に貴重であり、それは私たちの調査と他の仮想通貨企業が顧客を勧誘するために費やした費用を見ての私たちの見解だ」と彼は述べた。
顧客リストは現在非公開となっているが、ブルームバーグ、ファイナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社であるダウ・ジョーンズ社などの主要メディアが、その決定に異議を申し立てている。法人などの一部リストについては公開されている。
コフスキー氏によれば、FTXは買い手や投資家からの入札を募るための「重要な」プロセスを開始しており、顧客リストは事業に興味を持つ人々にとって「非常に価値を持ち、高く評価されている」という。
「その情報を公開することは、債務者が現在持っている価値を最大化する能力を損なうだろうと私は考えている」と彼は付け加えた。コフスキー氏は、取引所が売却されなかったり、投資家が見つからなかったりしても、取引所の再開できれば、FTXでの取引手数料の一部をもとに債権者に資金を回収させることができるとも考えている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン