金融庁は21日、資金決済法の規定の基づきフィスコ仮想通貨取引所に対して業務改善命令を出した。経営陣に法令等の遵守の重要性の認識がかけていたことやマネーロンダリング(資金洗浄)対策などの内部管理体制に不備があることが理由だ。

フィスコ仮想通貨取引所は、金融庁に登録されている仮想通貨交換業者19社のうちの1社。昨年9月に約70億円分のハッキング被害にあった仮想通貨取引所Zaif引き継いでいる。

今年4月には金融庁が「経営管理体制や顧客保護の取り組みに不十分な点がある」としてフィスコやフォビ・ジャパンに立ち入り検査していると報じられていた。

【関連記事:イケイケムードに待った?金融庁、仮想通貨取引所フォビ・ジャパンとフィスコに立入検査、「行政処分」も視野=ロイター報道

「経営陣に法令等の遵守の重要性の認識がかけていたこと」について、金融庁は「総務や内部監査ができる人が相対的に足りていない」「内部規定を作ったものの、十分な周知ができていないこと」「業務の外部委託先について、どの委託先が資金決済業務に当たるのかが整理できていないこと」などの杜撰さを指摘。さらに、

本人確認の情報を記入する欄で、職業や取引目的をチェックできるようになっている箇所で、当てはまらない場合、「その他」を選択できるようになっている。しかし、「その他」を選択した場合に何も記入しなくても口座が開設できる状態になっていた。システム構築が現場任せになっており、管理できていなかった。

など管理側の責任を追求した。

21日時点で、金融庁の立ち入り検査については登録されている仮想通貨交換業者19社の内、12社が完了。残り7社のうち、3、4社がサービスが開始していないこともあり、残りの交換業社の調査をこれから実施する予定だという。