フレンドテック(Friend.tech)のユーザーたちは、最近の一連のハッキング事件を受け、SIMスワップ攻撃の可能性を警告している。SIMスワップとみられる被害により、わずか1週間で4人のユーザーから合計109ETH(約17万8000ドル)が不正流出した。
9月30日、ツイッターユーザーの「froggie.eth」氏は、自身のフレンドテックのアカウントがSIMスワップ攻撃を受け、20ETH以上が引き出されたと警告した。SIMスワップ攻撃とは、攻撃者がユーザーの携帯電話番号のコントロールを奪い、2段階認証コードを傍受してアカウントにアクセスするものだ。
その数日後の10月3日、フレンドテックのユーザーたちが同様の事件を報告した。音楽家のダレン・ブロクスマイヤー氏は、自身がSIMスワップ攻撃を受け、22ETHが引き出されたと述べた。彼の電話は以前から「スパム電話」が掛かってきており、これは彼がサービスプロバイダからの警告メッセージを見逃すように仕向けるためだと考えている。
I was just SIM swapped and robbed of 22 ETH via @friendtech
— daren (friend, friend) (@darengb) October 3, 2023
The 34 of my own keys that I owned were sold, rugging anyone who held my key, all the other keys I owned were sold, and the rest of the ETH in my wallet was drained.
If your Twitter account is doxxed to your real… pic.twitter.com/5wA86mjYEG
同日、別のユーザー「dipper」氏もアカウントが不正アクセスされたと報告した。強力なパスワードを使用しているにもかかわらず、どのように攻撃者がアカウントをハックできたのか「全くわからない」と語った。
4人目のユーザー「digging4doge」氏は、フィッシング詐欺に引っかかり、ログインコードを共有した結果、約60ETHが引き出されたという。
Friendtech user @digging4doge just got drained to the tune of ~60 eth worth of keys.
— quit (,) (@0xQuit) October 4, 2023
About an hour ago, he received a text informing him that a number change had been requested for his account.
He had two hours to respond or the request would be auto approved. This was, of… pic.twitter.com/L21Hr041kP
仮想通貨投資会社マニフォールド・トレーディングは、ハッカーがフレンドテックのアカウントにアクセスすると、「アカウント全体を荒らす」ことが可能であると説明した。
フレンドテックのアカウントの約3分の1が電話番号にリンクされていると仮定すると、約2000万ドルがフレンドテックのユーザー向けの攻撃を通じて損失の危険にさらされているという。
If any hacker gains access to a FriendTech account via simswap/email hack, they can rug the whole account
— Manifold (@ManifoldTrading) October 2, 2023
If you assume 1/3 of FriendTech accounts are connected to phone numbers, that's $20M at risk from sim-swaps
FriendTech's current setup also technically allows a rogue dev… https://t.co/XgodMNSh2l
マニフォールドはまた、技術的にはフレンドテック全体がリスクにさらされているとし、プラットフォームのセキュリティ設定方法から問題を解決することが「最優先事項であるべきだ」と提案した。
また、フレンドテックはユーザーに対し、ログイン、キーの復号化、取引に2段階認証を追加できるようにし、ログイン方法を電話番号からメールに変更するオプションを提供すべきだと提案している。
著名な仮想通貨関係者も以前にSIMスワップ攻撃の被害に遭い、そのアカウントがフィッシング攻撃に利用された例がある。その一例が、イーサリアムの共同創設者ヴィタリク・ブテリン氏のアカウントだ。
コインテレグラフはフレンドテックにコメントを求めたが、すぐには返答は得られなかった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン