米証券取引委員会(SEC)がリップルを提訴するなど、規制当局の取り締まりが強まる中で、匿名通貨ダッシュの日和見的な態度に批判が飛び交っている。プライバシー機能を特徴としたダッシュが、規制当局の監視によって自ら「匿名通貨ではない」と発言したためだ。

ダッシュが自身を匿名通貨ではないと発言したのは、1月2日に米仮想通貨取引所ビットトレックスが、モネロやジーキャッシュ、ダッシュの匿名通貨を上場廃止にすると発表を受けたものだ。

ビットトレックスは12月29日、リップルの米証券取引委員会(SEC)からの訴訟を受けて、XRPを上場廃止にした。規制当局の動きが厳しくなる中で、同社の匿名通貨の上場廃止は規制当局の動きを先回りしたものだと噂されている。

これを受けて、ダッシュはツイッターで「ビットトレックスに連絡し、ミーティングを要請した。」と発表。ダッシュをプライバシーコインと呼ぶのは間違いだと主張した。

これまでにダッシュ財団のウェブページでは、2017年時点でダッシュについて「世界初のプライバシー特化の仮想通貨」と宣伝。しかし現在は「支払いのための主要な仮想通貨」に変わっている。

さらにダッシュペイのライアン・テイラーCEOもビットトレックスの上場廃止を受けて、ダッシュは匿名通貨ではないことを強調している。

ダッシュは2020年8月にプライバシー機能について、「ビットコインと同等」とするブログを公開。ブログの中で「規制当局は取引所がKYC/AML規制を遵守できていない可能性を懸念している」と規制当局の動きによって、匿名通貨ではないことを強調していた。

そしてテイラー氏はダッシュが匿名通貨ではないことを規制当局や取引所に理解してもらうことに成功していると主張した。

「ダッシュの技術を説明し、ダッシュを受け入れることはビットコインと比較して、リスクがないことを規制当局に理解してもらうような教育を行ってきた。」