フィスコは7日、分散型金融(DeFi)関連トークンの価格形成に関してリサーチしたレポートを公開した。資金流入効果やネットワーク効果、ネットワーク効果を使って、DeFiトークンの理論価格を算定している。
レポ―トの中では、仮想通貨(暗号資産)においても「価値と価格が異なるという視座を持つ心掛けが大切であろう」と指摘し、仮想通貨の価値の測定を試みている。
通常の仮想通貨は配当や金利を生み出さないため、その投資評価は「配当割引モデルや割引キャッシュフローモデルなどに代表される従来の証券投資論の手に余る」という状況だった。しかしDeFI関連では金利が発生するモデルがあるため、配当割引モデルを活用して、理論価格を算出することができるようになった。
レポートでは、資金流入効果やネットワーク効果を使い、想定される価値を算出し、その上で配当割引モデルを適用する方法を提唱している。
レポートではこの方法を使い、コンパウンド(Compound)のCOMPトークン価格の試算を試みている。「資金流入効果」から見たCOMPの価値は、2021年末が266ドル、2022年末が298ドル、2023年末が337ドル、2024年末が382ドル、2025年末が437ドルと試算している。「『資金流入効果+配当割引モデル』による価格試算値は、これを10%の割引率で割り引いた現在価値は 196ドルである」と算出している。
ネットワーク効果を使うケースでは、COMPの価値は2021年末が284ドル、2022年末が315ドル、2023年末が350ドル、 2024 年末が389ドル、2025年末が432ドルと試算している。そしてネットワーク効果と配当割引モデルによる価格試算値は、10%の割引率で割り引いた現在価値は165ドルであると試算している。
今回のリサーチを主導したフィスコの中村孝也取締役は、このような価格試算を行うことで「価格のアンカー」ができれば、ボラティリティの解消も期待できると話している。