著者 中村 孝也(なかむら たかや)Fisco 取締役(情報配信事業本部長・アナリスト)

日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、(仮想・暗号)通貨などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

(出典:Zaif「ビットコイン/円」)

ビットコイン テクニカル

ビットコインは2月の戻り高値115万円を明確に上回り、8月18日に一時132万円まで上昇した。「抵抗線A」を上に突破、90万円強の「支持線1」から110万円強の「抵抗線A」の倍返しである130万円強の「抵抗線B」まで上昇した格好である。

その上は150万円強なども間に挟むものの、50万円強の「支持線4」からら110万円強の「抵抗線A」の倍返しである170万円強の「抵抗線C」が次の上値のめどとなる。

新型コロナウイルスショック前の高値更新を続けているNASDAQに先駆けて、ビットコイン価格も同水準の更新を続けている。その後、NYダウや日経225も新型コロナウイルスショック前の高値こそ更新できていないが、ショック後の戻り高値、を更新。ビットコイン価格は、NYダウや日経225に1~2週間ほど先行して動いている状況が継続している格好となった。

ちなみに、NYダウや日経225のテクニカル的な変化日は8月20日頃になる。NASDAQの変化日は9月初旬頃である。現状、NYダウや日経225に変化が訪れていないが、NASDAQと同じような頃に、上昇一辺倒の相場が変化するということも考えられる。無論、変化が下という決めつけは禁物だが、上への動きが急であったため、日柄の調整があり得ると考えるのは自然だろう。

株価指数の変化が9月初旬に起こるとすれば、今回もビットコイン価格が1~2週間程度動きを先取りしたということになる。ビットコイン価格の下押しがどの程度かが、株価指数の下押しにも参考になる可能性がある。

ビットコイン価格は現状、130万円強の「抵抗線B」で綺麗に跳ね返された格好となった。下値めどはもち合いから価格が上放れした100万円から130万円強の1/3押しである120万円強であれば、遅からず上への動きを試すことになろう。半値押しとなる110万円半ばまで押すと、しばらくボックス推移が続くという見方になる。