1990年にインターネット上で情報をやりとりするHTTPという仕組みが登場してから30年が経過した。今では誰もがスマートフォンを持ち、大量のデータにアクセスすることができるようになっている。その中で問題視されているのがデータの爆発だ。

2010年からの10年間でネット上のデータ量は30倍に増加し、データセンターの数も増加傾向にある。

これらの問題を解決するべく登場したのがIPSFを活用したFilecoin(ファイルコイン)というプロジェクトだ。

Filecoinとは

Filecoinはデータの増加を抑制しつつ、情報漏洩のリスクを回避するIPFS(Interplanatery File System)という技術を活用したプロジェクトを指す。

従来のHTTPではデータ爆発に加え、情報がGAFAなどの大企業に独占されているという社会問題が存在する。IPFSではデータを分散型のストレージとして保存することでこれらの課題の解決を目指す。

Filecoinを運営するProtocol Labsはスタンフォード大学でコンピューターサイエンスを専攻したファン・ベネット氏によって設立されている。

巨大な市場をターゲットに

AmazonやMicrosoftなどの事業者に代表されるデータセンター市場は年々拡大しており、現時点で17兆円から30兆円規模と算出されている。

ブロックチェーンにはデータ保存領域が少なく、テキストベースのデータ程度しか保存することができないことが課題であったが、今後はFilecoinをストレージとして活用したDappsが数多く登場することが予想される。

また、ブロックチェーンゲームが今後大きな市場になると目されているが、普及の課題であるブロックチェーンのデータ保存容量不足を解決することで、3〜10兆円規模の市場が新たに創出される可能性がある。

これらの市場全てにリーチできるFilecoinは莫大な実需を抱えることになる。

厳しいICO参加条件にもかかわらず282億円を調達

2017年にFilecoinトークン(FIL)総発行枚数20億枚の10%にあたる2億枚が投資家向けのICOとして販売された。

ICOはSEC(米国証券取引委員会)の基準を満たす要件で行われたため、参加には純資産1億ドル(約105億円)または年間の投資益20万ドル(約2,100万円)以上という条件が設けられた。

しかし、トークンは瞬く間に完売し282億円を調達した。

ICOにはシリコンバレーを代表するVCのセコイアキャピタルやスタンフォード大学、Skypeなどが参加している。

仮想通貨業界からもGemini創業者のウィンクルボスキャピタルやCoinbaseが出資している。名だたる投資期間や企業が参加しており、Filecoinへの期待の高さが伺える。

ロックアップによる売り圧対策

ICOで販売されたFILやProtocol Labsに割り当てられているFILにはロックアップ期間が設けられており、上場直後の売り圧力への対策が取られている。

アドバイザー先行販売で購入した場合は1年、公募販売で購入した場合には6ヶ月のロックアップ期間が設定されている。

また、総発行枚数の15%が割り当てられているProtocol LabsのFILには6年間のロックアップ期間が設定されており、長期的な保有が想定される。

メインネット公開後は主にマイナーへの割り当て分が市場に出回ることになるが、マイニングされたFILも約6ヶ月をかけて少しずつリリースされるため、一度に多くのFILが市場に放出される可能性は低い。

また、マイニング時にマイナーがデータを保存する際には担保としてFILを合わせて格納する必要があるため、マイナーはマイニングパワーを高めるためにFILを市場から購入するニーズがある。

現在1日あたり15万枚ほどがマイナーに報酬として分配されているが、担保を確保するために当面の間は売却する可能性は低くむしろ購入意欲が高いため、当面の間は売り圧力はきわめて低くなることが予想される。

現時点でのFIL入手方法は2つ

Filecoin(FIL)は2020年10月15日にメインネットが公開され、同時に世界各国の取引所で取り扱いが開始された。

米国と中国の取引所で同時に取り扱いが開始されたことは珍しく、注目の高さが窺える。

それもあり現在の入手方法は現物の購入マイニングの2種類だ。

ICOにも参加した大手仮想通貨取引所のGeminiにはすでに上場しており、CoinbaseもFilecoinのメインネットローンチ後にトークンを上場することを発表している。

現在ではBinanceをはじめKrakenやHuobiなどにも上場を果たしている。

さらには日本のBitflyerやCoincheckなどでも上場されているBATトークンとICO参加メンバーが同じであることから、日本でのFIL上場にも期待が高まる。

ビットコインなどのマイニングとは異なり、Filecoinのネットワークではストレージ容量を提供し、データを保存することで報酬としてトークンを受け取ることができる。

Filecoinのマイニングは2種類

上記の通り、Filecoinのマイニングはストレージ容量を提供してデータを保存することで報酬を受け取れる仕組みになっているが、厳密には次の2種類のマイニングが存在する。

1. ストレージマイニング

2. リトリーブマイニング

一つ目はストレージマイニングと呼ばれるものでデータを保管したいユーザーに対して、ストレージ容量を提供することで報酬を得る仕組みだ。

ストレージを提供する側はFILを担保に空き容量を貸し出すことができる。

二つ目はリトリーブマイニングで分散して保存されたデータを寄せ集めて引き出せるようにする役割を担っている。

Filecoinの設計上、両方の役割を担っているマイナーが多くなっている。

つまり、Filecoinのマイニングで効率良く報酬を得るためには、引き出されやすい良いコンテンツを保管することが重要となる。

良いコンテンツを保管する側は安定してデータを供給できるマイナーに預けたいため、安定性が重視される。

Filecoin総発行枚数20億枚のうち70%はマイナーへの報酬に割り当てられている。

少量ずつ放出される仕組みにはなっているがマイニングをうまく行えるノードがネットワーク上で存在を持つことになっていく。

マイニングにおけるポイント

マイニングで多くの報酬を得るためにはただ単にストレージの容量を確保すれば良いわけではない。

マイニングに使う機器とソフトウェアには最適化と安定性が必要になってくる。マイニング環境の最適化がされていることで1TBあたりの収益性を上げていくことができる。また、Filecoinのマイナーにはデータの保存に失敗した際にペナルティが課される仕組みになっている。データの欠損を自分で発見し修復した場合は1日のマイニング量の2.14倍、メインネット側で発見された場合は5倍のFILがペナルティとして没収される。

また、マイニングを放棄した場合にはそのノードが90日間で獲得したFILが全て没収される仕組みになっており、いかに失敗を減らして運用するかが鍵となってくる。

FILPOWER(Filecoin Miner)とは

FILPOWER(Filecoin Miner)はFilecoinネットワークに参加するマイニングプールの一つで株式会社SIGOOTとNonentropyによって構成されている。

先述のようにFilecoinのネットワークには数多くのマイニング事業者が参加しており、Nonentropyもその一つに数えられる。

Nonentropyはブロックチェーンの分散型ストレージを専門としている中国企業で行政にも採用されるレベルの高い技術力と確かな実績を兼ね備えている。

創業メンバーは平均年齢28歳と若く、全員が研究員となっている。河南省の南陽市が分散型ストレージを導入するにあたってNonentropyのシステムを採用するなど行政からの信頼も厚い。

Filecoinのプロジェクトが発足した2017年頃からProtocol Labsと緊密な関係を築いており、中国におけるICOのサポートやホワイトペーパーの翻訳などを担当している。

今回NonentropyがFilecoinのメインネットローンチにあたり、日本の窓口としてSIGOOTがマイニング商品の販売やマーケティングなどを手掛ける。

両社は顧客を最後までサポートするべく、経営統合を発表している。

マイニングメニューは分配枚数保証

SIGOOT社が提供するFilecoin Minerは、Filecoinのメインネット公開を機に、「FILPOWER powered by Filecoin Miner」としてサービス内容をリニューアルした。

FILPOWERの最大の特長は、3年間の長期契約に加え、Filecoinの分配数の保証を行っていることだ。

ご注意点

*現在価格(1FIL=3700円)で算出をしていますので、FIL価格によりリターンが上下します。

*枚数を保証するものであり、ストレージの運用委託による利益を保証するものではありません。

*FILが暴落することにより損害を被るリスクがあります。

マイニング容量はブロンズプランからロイヤルプランまでそれぞれ1TiB、4TiB、8TiB、16TiB、40TiB、80TiB、160TiBとなっている。

プランによって多少の変動はあるが、3年間で1TiBあたり77,000円(税抜)と業界最安の水準であり、購入者への還元率も71.5%と業界最高水準を誇っている。

さらに1TiBあたり40FILの分配数保証が付されていることで、契約者は3年間の間、継続的にFILトークンを受け取ることができるだけでなく、確実に保証枚数分のFilecoinを受け取ることが可能だ。

マイニング収益に加えトークン価格の上昇も見込める

マイニングプランを契約することで契約者はマイニング報酬としての投資益はもちろん、トークンの価格上昇による利益も期待可能だ。

Filecoinは2020年10月15日にメインネットが公開され、同時に世界各国の取引所で取り扱いが開始された。

米国と中国の取引所で同時に取り扱いが開始されたことは珍しく、注目の高さが窺える。

現在Filecoinは35ドル前後(約3,700円※記事執筆時点)の価格がついている。

メインネットローンチ後も投資家からの売り圧が少ないことを考慮すれば今後価格の上昇が期待される。

コインテレグラフのみの限定プラン

通常のFilecoin Minerは7つのプラン展開で最低数量が1TiBからとなっているが、今回特別にコインテレグラフの読者向けに小額プランが用意されている。

このプランでは0.2TiBを17,600円で契約することができ、様子をみたい人や多額の資金を投入できない方でもマイニングに参加できるようになっている。

申込は以下のリンクから可能だ。

https://filecoinminer.jp/cointelegraph/

FilecoinはWeb3.0構築の実現を目指す

1990年頃にインターネットが登場し、世界中の人が情報にアクセスできるようになった。

2005年頃にはSNSが普及し、双方向で情報をやりとりする時代が訪れた。

そして今、ブロックチェーンを活用して大企業が独占している情報を各個人が管理し、対価として利益を得る時代に移り変ろうとしている。

ブロックチェーン業界ではこれまでに数多くのプロジェクトが登場してきたが、ブロックチェーンの保存容量が足りないという欠点からDapps開発企業などが従来のデータセンターを利用する必要があった。

データセンターへの支払いには法定通貨が用いられるため、これでは真のトークンエコノミーにはならない。

FilecoinはIPFSというオープンソースの技術を存分に活用してブロックチェーンおよびトークンエコノミーを補完し、Web3.0のインフラ構築を目指す。

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