米金融機関大手フィデリティのデジタル通貨部門フィデリティ・デジタル・アセッツが、仮想通貨のカストディ(資産管理)とトレーディングサービスを全ての適格投資家に対して運用開始した。フィナンシャル・タイムズが報じた。
フィデリティは今年の第1四半期から一部の顧客に対してカストディサービスを開始。今回、フィデリティ・デジタル・アセッツのアビゲール・ジョンソン氏が「現在は完全に運用開始となった」と話した。
同氏は、カストディサービスの利点を改めて解説。技術に明るくない人にとっても仮想通貨を安心して預けられる場所になるほか、遺産相続の際にも役立つと述べた。
「ビットコインなど仮想通貨で巨額の富を形成した人々は多い。彼らは、誰かに代わりに仮想通貨を持って欲しいと思っている。なぜなら、もし死んだ時に(それはいつか訪れることである)、誰かに仮想通貨を渡すための計画を立てなければならない」
また、ジョンソン氏は、コインベースのカストディーサービスについて「いまだにほとんどの人が聞いたことがない会社だ」と指摘した。
米国最大の仮想通貨取引所コインベースが手がけるコインベースカストディは2018年7月に立ち上がった。8月時点で14カ国で120以上の顧客の資産を保管していると主張している。
また8月にザポ(Xapo)の法人向け仮想通貨カストディ(保管)事業を5500万ドル(約58億円)で買収し、「世界最大の仮想通貨カストディアン(保管業者)になった」と述べた。
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フィデリティは現在、ニューヨークで仮想通貨カストディサービスを開始するために、当局に投資信託企業として運営する許可を申請している。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版