米議会で議論されている大麻改革法案が、仮想通貨業界にも影響をもたらす可能性がある。

民主党のチャック・シューマー上院議員らは、米政府による大麻規制を包括的に改革するための共同声明を発表した。

声明の中では、麻薬戦争が有色人種に対する戦争だったと指摘。麻薬戦争の失敗を終わらせ、連邦レベルでの大麻禁止を終わらせる必要があると主張している。

米国の州では大麻が合法であるところもあるが、しかし大麻関連の「薬局」は伝統的な銀行取引ができず、一般的な金融の領域外で活動することを余儀なくされている。

連邦レベルでは大麻が禁止されており、このことが多くの銀行が大麻ビジネスにリスクを感じて、取引を躊躇させている。そのため、大麻薬局では現金商売を強いられてしまっている。

そのため、大麻業界はブロックチェーン技術や仮想通貨を導入する動きが活発だった。大麻関連のトークンや大麻製造のサプライチェーンへのブロックチェーン適用、現金決済の代替手段としての仮想通貨活用などだ。

では大麻が連邦レベルで合法化された場合、マリファナと仮想通貨の関係はどうなるだろうか?仮想通貨の存在感が薄れることにあるのか?

大麻業界でブロックチェーン決済ソリューションを提供するマルチチェーン・ベンチャーズのCEOであるマイケル・ワグナー氏は、通常の銀行との取引が可能となれば、事業主側で仮想通貨を使う必要が低下する恐れがあると、コインテレグラフに語った。

「伝統的な金融業界がこれらのビジネスに門戸を開いた場合の仮想通貨の有用性だが、ブロックチェーンソリューションの魅力が低下することを認めることになるだろう」

しかし、実際のところ、影響はそれほど大きくはないかもしれないともいう。

「大麻業者との数多くの対話の中で、現在の金融サービスに存在する摩擦にもかかわらず、仮想通貨が広く採用されていないというのが私の感覚だ。仮想通貨の合法性を取り巻く明確さの欠如、またテクノロジーへの理解不足が参入障壁となっている」と、ワグナー氏は指摘する。

大麻の法的地位に関係なく、ワグナー氏は仮想通貨の使用には独自の利点があるとも述べている。

「分散型金融エコシステムが実質的な有用性を提供すると考えている。伝統的な銀行が競合となっても、仮想通貨側のイノベーションは優れている。より速く、より安価なトランザクションを提供し、透明性も向上させることができる」

大麻が合法化されることで、仮想通貨にとっても新たなユースケース発見につながるだろうと、ワグナー氏は主張している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン