分散型金融(DeFi)は、規制当局の関心を高め続けており、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)のために設計された主要な国際ルールの一部になりつつある。

金融活動作業部会(FATF)は1日、仮想資産(バーチャルアセット)とVASPのリスクベースアプローチに関する2019年のガイダンスを更新し、DeFi(分散型金融)が新ガイダンスに含まれたことが明らかになった。

新ガイダンスは、仮想資産およびVASPに関するFATF基準改訂版の12カ月間のレビューで明らかになった、さらなる明確化を必要とする問題に対処するとともに、2021年3月および4月に行われたパブリックコンサルテーションで得られた意見を反映した。

当局は、「基礎となるソフトウェアや技術には適用されない」という基準があるため、DeFiがFATF基準ではVASPとみなされていない。しかし、更新されたガイダンスでは、DeFiの開発者と保守者は、実際にVASPとみなされる可能性があるとしている。

「クリエイターや所有者、運営者、またはDeFiにおいて支配力や十分な影響力を維持しているその他の人物は、それらの取り決めが分散化されているように見えたとしても、VASPサービスを提供している、または積極的に促進している場合には、VASPのFATF定義に該当する可能性がある」

仮想通貨コンプライアンスのスタートアップであるNotabene社のCEOであるペレ・ブランドガード氏によると、新指針は参加者の収益に基づいてDeFiをVASPを判断しようとしているという。「事業者が自分たちが管理するプロトコルから取引手数料や直接収入を得ている場合は、おそらくVASPに分類されるだろう。より完全に分散化されたプロトコルも、特定のケースでは対象となる可能性があるが、すべてのケースではない」とコインテレグラフに述べた。

DeFiに関する重要な追加ガイダンス以外にも、FATFの新ガイダンスはノンファンジブル・トークン(NFT)についても取り上げており、NFTはFATFの仮想資産の定義からは除外されているが、「その種の金融資産としてFATFの基準でカバーされる」とされた。

「VA(バーチャルアセット)空間が急速に進化していることを考えると、機能的アプローチは、NFTや他の類似したデジタル資産の文脈において、特に適切である。したがって、各国は、ケースバイケースでFATF基準のNFTへの適用を検討すべきである」

また、今回のアップデートでは、FATFが2019年に導入した金融機関向けのマネーロンダリング・テロ資金供与対策規制である「トラベルルール」の実施について、世界の規制当局が緊急性を高めることを求めている。「各国に、トラベルルールの要件を段階的に実施することを望むが、その間もVASPが仮想通貨の送金に伴うマネーロンダリングリスクを軽減するための代替手段を確保する必要がある」と指摘した。