仏パリに本部を置くマネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)は、仮想通貨交換業の規制について、現行の拘束力のないガイダンスから、加盟国の義務となるスタンダードへの格上げを目指すもようだ。24日からの定例会合で具体的な検討に着手し、2019年中には実現する見通し。関係筋の話としてロイターが12日に伝えた

 今年3月のG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明に基準の見直し要請が明記され、FATFは検討を本格化させる。FATFは2015年6月、仮想通貨交換業の規制に関するガイダンスを公表。交換業の登録制または免許制の導入、顧客の本人確認、疑わしい取引の届出、記録の保存義務を求めていた。

 このガイダンスを踏まえ、日本は17年4月に改正資金決済法(仮想通貨法)を施行し、世界に先駆けて仮想通貨交換業の登録制を導入した。一方で、FATFのガイダンスには加盟国に対する拘束力がないため、各国の仮想通貨交換業への規制にはばらつきがある。

 今後のFATFの議論では、15年に策定したガイダンスの内容が現在も妥当かどうか、主として金融機関への適用を念頭に置く「基準」を新興の仮想通貨交換業に適用できるのか、仮想通貨取引を禁止している国との関係などが焦点になるとみられる。

 日本はFATFのガイダンスを基に規制を導入した経緯から、FATFでの議論をリードしたい考えだ。FATFは35の国と2つの地域組織で構成されている。