11月5日、認証済みのツイッターアカウントがいくつか乗っ取られ、イーロン・マスク氏の偽アカウントに仕立て上げられた。中には17万ドル近くを稼いだものもあるという。

認証済みアカウントに侵入したあと、詐欺師らはプロフィールの名前や写真を入れ替え、テスラ社のイーロン・マスクCEOのアカウントに見えるように細工していた。次いで詐欺師らは、本物のイーロン・マスク氏のコメントから始まるスレッドに投稿することで、あたかも本人であるかのように見せかけようとしていた。詐欺ツイートの中には、「Bitcoic」(Bitcoinと書きたかったようだ)を利用している人を対象に、世界でも類を見ない「最大規模の」仮想通貨無料配布を実施すると宣伝しているものがあった。そこには、その無料配布に「参加する」ためのリンクが記載されていた。

Screenshot of compromised Pathe UK account. Source: Business Insider

Screenshot of compromised Pathe UK account. Source: Business Insider

ツイッターのセキュリティー対策を回避するために、詐欺師らは「Elon Musk」という名前の中の1文字を微妙に変えていた。これにより、ツイッターのセキュリティー機構が自動で偽アカウントを停止することから逃れていた。しかし画面上で一瞥しただけでは正しく表示されているように見える。

米ビジネスインサイダーによると、ハッキング被害に遭ったアカウントは複数存在するが、そこには映画製作会社のパテUKや、米国のフランク・パロン下院議員も含まれるという。

デイリー・ビーストのラクラン・マーケイ記者の報告によると、パロン議員の選挙対策本部ではアカウントがハッキングされたことを認めている。しかし何らかの政治的意図があってハッキングしたのではなく、「単なるビットコイン詐欺のようだ」と述べているという。

If you fall for this you deserve to be scammed tbh pic.twitter.com/RKjd90UsBt

— A source close to Lachlan Markay (@lachlan) November 5, 2018

(もしこれに引っかかるようなら、正直な話、詐欺師にカモられても仕方がないレベルだ)

マーケイ記者はまた、詐欺に使われたBTCウォレットの1つは15万8256ドル(約1793万円)を集め、入金は「まだ続いている」と述べた。記事執筆時点で、マーケイ記者が注目した同口座には26.38BTC(16万8930ドル、約1900万円)の残高があった。

パテUK社はその後、アカウントの管理権限を回復し、偽のイーロン・マスク氏のツイートも削除したとツイッターで報告している。