トランプ大統領が米国時間早朝にツイッターでブラジルとアルゼンチンの通貨切り下げを批判し、両国から輸入される鉄鋼とアルミニウムへ直ちに関税を課すと述べた。これによりリスクオンに傾いていた金融市場は貿易摩擦の広がりへの懸念からリスクオフに傾き始め、欧州株式市場は下落に転じ、為替市場ではドル安が進んだ。

さらに11月ISM製造業購買担当者景気指数が市場予想を下回る48.1と先月よりも悪化し、米景気減速懸念からリスクオフが加速した。

ドイツDAXは2.05%安、英FTSE100は0.82%安と欧州株式市場は大きく下落して終了し、0.96%安のダウ平均など米株式市場も急落して終了している。

高値の1.855%まで上昇していた米10年債利回りは1.822%まで押し戻されている。

ユーロ圏やドイツなど欧州各国の製造業PMIが緩やかに改善傾向にあり、1.1010ドル台で横ばいで推移していたユーロドルはトランプ大統領の関税発表を機に急騰し、0.0065ドル高で終了した。

ユーロドル予想

ユーロドル予想レンジ 1.1070~1.1160

1.1080~1.1100は何度かユーロ高を止めているレジスタンスゾーンであり、100日移動平均線(1.1073)も近くにあるため、本日これを超えるかが注目される。トランプ大統領のドル高批判もドルの上値を抑える材料となり、0.40%安で推移している本日のドルインデックスが大きく反発することは考えにくい。アジア時間の株価指数や米国債利回りもリスクオフが継続すると考えられ、このゾーンを突破すると上昇が加速する可能性もあるので注意が必要だ。各種移動平均線は下向き推移であり、簡単に突破できないだろうが、1.1100を意識した攻防の1日となると予想する。