イーサリアムベースのトレーディングカードゲーム“Gods Unchained”(ゴッズアンチェインド)のトークン取扱い量が急拡大している。イーサリアムの分散型アプリ(Dapps)で人気を博していた「クリプトキティーズ」を上回るボリュームとなっている。背景には香港問題があるようだ。コインメトリックスが分析記事を掲載した

コインメトリックスのリサーチャーであるネイト・マドレイ氏が12日にツイートで、Gods Unchained関連のERC-721トークンの取扱い量が増えていることをグラフとともに指摘している。

Gods Unchainedは、ブロックチェーンベースのゲームであり、ゲームで使うカードはERC-721トークンで表される。これはノンファンジブル・トークン(NFT)とも呼ばれ、ユーザーが自由に取引できる。

Gods Unchained関連の取扱量は50万近くにも上っている。2017年にクリプトキティーズが人気を博した時でもボリュームは10万にも満たなかった。

背景にゲーム会社ブリザードのスキャンダル

今回の事態の背景にあるのは、大手ゲーム会社ブリザード(Blizzard)を巡るスキャンダルだ。同社の人気カードゲーム「ハ―スストーン」の国際大会からプロプレイヤーBlitzchungを追放。すべての賞金を剥奪した。これはBlitzchungが香港の抗議活動を支持する発言をしたためだ。

これに対して、Gods Unchainedの公式ツイッターは「ブリザードは自由よりもお金を気にしている」と批判。Blitzchungに対して剥奪された分の賞金を支払うことを表明した。

このGods Unchainedは広く支持を集める結果となり、「カードパック」が完売。計33,333 ETH(620万ドル)の売上を記録した。

ブロックチェーンの真価発揮か

コインメトリックスのマドレイ氏は、「ゲーマーがゲーム内の資産を所有することに関心を持ち始めている」と指摘する

ブロックチェーンベースのゲームであれば、ゲーマー自身がゲーム内の資産を自ら管理することができる。プレイヤーが自らゲーム内資産を売買することもできる。中央集権的なゲーム会社が、プレイヤーが政治的発言をしたから言って、バンすることもない。

マドレイ氏は「(ゲームの世界で)より大きなシフトが起こっているという最初の兆候かもしれない」と述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン