イーサリアム(ETH)のアンステーキング待機額が過去最高に達し、投資家が利益確定に動いている可能性が浮上している。

アンステーキング待機額は120億ドルに到達

先週、イーサリアムのアンステーキング待機額は260万ETH(約120億ドル)を突破し、待機期間は44日となった。これはネットワークのバリデーターによる史上最大の引き出し申請である。バリデーターは新規ブロックの追加やトランザクションの検証を担い、イーサリアムのセキュリティに不可欠な役割を果たしている。

ValidatorQueueのデータによると、アクティブなバリデーター数は105万を超え、ETH供給量全体の29.4%にあたる3560万ETHがステーキングされている。

マクロアナリストのマーティ・パリー氏は「イーサリアムのステーキング退出キューが急上昇している」と述べ、仮想通貨史上最大のバリデーター流出と評した

ステーキング退出キュー Source: Validator Queue

全てのバリデーターが売却を予定しているわけではないが、120億ドルを超えるETHの一部が利益確定目的で市場に放出される可能性がある。実際、ETH価格は過去12カ月で97%上昇している。

仮想通貨ユーチューバーのラーク・デイビス氏も「ETHのアンステーキング待機額は過去最高に達している。大量のETHが市場に出る可能性があり、強い売り圧力が迫っている」とXに投稿した

一方で、イーサリアムのステーキング参加待機額は4週間ぶりの低水準に落ち込んでいる。記事執筆時点で約51万2755ETH(23億ドル相当)がステーキング待機中であり、9月5日の95万9717ETHから減少しており、ステーキング需要の鈍化が懸念される。

機関投資家の需要が売り圧力を吸収

ただし、イーサリアムを財務資産として保有する企業や現物イーサリアム上場投資信託(ETF)の買い需要が売り圧力を吸収している。

strategicethreserve.xyzのデータによれば、戦略的準備金とETFの保有量は7月1日以降116%増加し、544万5458ETHから1176万2594ETHに急増した。

この急増は、イーサリアム供給が急速に機関投資家や大企業の手に渡っていることを示している。多くの機関投資家は利回りを得るためにETHを再びステーキングする計画を持ち、今後エントリーキューの増加につながる可能性がある。

ETFが保有するイーサリアム Source: strategicethreserve.xyz

また、イーサリアム・ステーキングETFのローンチ期待も強気材料となっている。一部の投資家は流動性を確保し、後にETFへ再投資する準備をしている可能性がある。

米証券取引委員会(SEC)の最終承認期限は2026年4月に設定されているが、アナリストのアクセル・ビットブレイズ氏は、2025年10月にも承認が下りる可能性があると指摘している

「イーサリアムETF承認を待ち続けているが、もはや時間の問題だ。ブラックロックのETHステーキング承認期限は10月であり、その時点で承認される可能性が高い」と同氏はXに投稿した。

さらに、先週も仮想通貨の上場投資商品(ETP)への資金流入が続いており、イーサリアム投資商品は6億4600万ドルの流入を記録した。これは機関投資家のETHへの関心が復活していることを示している。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

仮想通貨, マーケット, Market analysis, Ether Price, Ethereum Price, Staking, Ethereum ETF