イーサリアムのコア開発者たちは、24時間以内にビーコンチェーンのファイナリティ(決済完了性)問題が2回発生したことを受け、プリズムラボとテク・クライアント向けの修正パッチを展開した。ビーコンチェーンはイーサリアムネットワークのコンセンサスレイヤーを担っている。
イーサリアムの開発者たちは5月11日、ビーコンチェーンが取引の確認で問題を抱えていると報告した。新しいブロックは提案されることができたものの、未知の問題がファイナリゼーションを妨げた。停止は約25分間続いたようだ。同様の問題が5月12日にも発生し、1時間以上ブロックのファイナリティが阻止された。
イーサリアム財団は、「ファイナリティが3エポックと8エポックで達成できなかった」とツイッターで共有。問題は、「コンセンサスレイヤーのクライアントの一部に高負荷がかかり、それが特殊な状況によって引き起こされたようだ」とされている。
The beacon chain stopped finalizing about thirty minutes ago. I don't know why yet, but in general the chain is designed to be resilient against this, transactions will continue as usual and finalization will kick in when the problem is resolved. pic.twitter.com/utAS0uAWpG
— superphiz.eth ️ (@superphiz) May 11, 2023
ネットワークは完了できなかったものの、クライアントの多様性によってエンドユーザーやライブユーザーはネットワーク上で取引を行うことができたようだ。「すべてのクライアント実装がこの特別な状況に影響を受けていなかったため」だという。
クライアントの多様性とは、ネットワークバリデータに利用可能なソフトウェアクライアントの数のことだ。クライアント間で多様性があるほど、ネットワークはより堅牢で安全になる。テクとプリズムの両社は、ビーコンノードが過剰なリソースを消費しないように最適化を実装したアップグレードをリリースしている。
同様の問題が3月15日にも発生し、イーサリアムの「シャペラ」アップグレードのゲオリテストネット版が遅れたが、4月12日には正常に展開された。イーサリアムの既存のプルーフ・オブ・ワークチェーンは、2022年9月15日にビーコンチェーンと統合され、プルーフ・オブ・ステークへのネットワークの移行が可能になり、より速く、よりエネルギー効率が良くなった。
ミームコインの最近の取引熱は、イーサリアムの活動とステーキング報酬率を高めている。オンチェーンデータによれば、バリデータは5月の第1週に4600万ドルを稼いでおり、これは前週の3300万ドルの収入、18,339ETHが報酬として分配されたことに比べて40%増加している。