イーサリアムの27の主要プロジェクトが、ユーザーからの最大抽出可能価値(MEV)という「見えない税金」を抑制することを目的としたソリューション、MEVブロッカーを立ち上げた。

MEVは、分散型金融(DeFi)の取引に課せられる税であり、MEVボットはイーサ取引やNFT購入、イーサリアム・ネームサービスの登録を途中で取引を乗っ取って価格を操作できる。MEVブロッカーは、CoWスワップ、アグノスティックリレー、ビーバービルドによって共同開発された無料で検閲耐性のあるツールであり、イーサリアムエコシステム全体で発生している「13億ドル問題」に対処する。

バランサー、GnosisDAO、シェイプシフト、ステークDAOなどを含む27のイーサリアムプロジェクトが、立ち上げパートナーとして参加している。Gnosisの最高経営責任者(CEO)であるマーティン・ケッペルマン氏は、MEVブロッカーの立ち上げ意図について次のように述べている。

「MEVブロッカーの立ち上げにより、ユーザーは自らが生み出すバックランニングの機会から利益を得られる。今日、そのお金はすべてサーチャーに取られているが、なぜ価値を生み出す人々と分け合わないのだろうか?」

MEVブロッカーは、仮想通貨ウォレットにリモート・プロシージャコールのエンドポイントとして追加でき、イーサリアムの分散型アプリケーションを使用する際に、ユーザーをフロントランニングやサンドイッチングから保護する。公式発表によると、MEVブロッカーは、入札で勝利した利益の90%以上をユーザーに返し、残りの10%を報酬としてバリデーターに送ることで「イーサリアムユーザーに力を返す」試みだ。

一方、ユーザーに対する課税を軽減しようとする起業家たちの取り組みが進む中、上海とカペラのアップグレードに対する期待感がイーサリアム(ETH)の価格上昇を後押ししている。

4月5日、イーサリアムは7ヶ月ぶりに初めて1900ドル(約24万円)を突破した。ただし、2022年9月15日のマージ実行後、ETHの価格は急落していることに留意する必要がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン