DTCキャピタルの責任者であるスペンサー・ヌーン氏は、長期的なファンダメンタル指標から、仮想通貨(暗号資産)イーサリアムがかつてないほど健全であることを示していると指摘している。

イーサリアムネットワークでのユーザー活動は増加しており、主に分散型金融(DeFi)市場が拡大していることが要因となっている、そのため、デイリーアクティブアドレス数や手数料など、イーサリアム全体での取引活動が急増したという。ヌーン氏は次のように指摘した。

「長期的なファンダメンタル指標によると、イーサリアムは間違いなく、かつてないほど健全であることが示されている。1.1日に支払われた米ドル手数料の総額では、イーサはビットコインを超えた。2.9月のコントラクトは1億1500万で6月の5700万から増加した。3.デイリーアクティブアドレスは一貫して40万を超えている。」

こうしたイーサリアムの楽観的なファンダメンタルズ指標から、ヌーン氏はイーサリアムの見通しを指摘したようだ。

2021年に向けたイーサリアムのセンチメント

イーサリアムのオンチェーン指標が好調な要因はDeFiとイールドファーミングに対する需要からきている。

8月や9月に比べて、10月はDeFiとイールドファーミングに関する熱狂は大幅に減少している。ヤーン・ファイナンスといった著名プロジェクトが不振に陥っていることから、リスクが高いイールドファーミングのプラットフォームの熱が冷めてきているようだ。

しかしDeFiや各種DeFiサービスに関する需要は比較的高い。ヌーン氏は毎日3億ドル相当のETHがDeFi向けに送信されていることを強調した。

「主流の採用。これが何を意味するかはともかく、DeFiには必要ない。3億ドル分のETHが毎日DeFiアプリに送られているのに対し、中央集権型アプリ(CeFi)には1億5600万ドル分のETHが送られている。アプリは年間で5億ドルのペースで60万ユーザーを獲得している。まだパラボリック(放物線を描くように急上昇)している」

DeFiプロトコルの使用量の増加に加えて、分散型取引所での取引量は、イーサリアムのブロックチェーン活動をさらに押し上げている。

(出典:コインメトリックス「イーサリアムのデイリーアクティブアドレス数」)

2020年は分散型取引所の年

イーサリアムに関して全体的な楽観論を後押しした2020年のトレンドは、分散型取引所(DEX)の活動によるものだ。

ユニスワップを筆頭に、分散型取引所の取引量はトップの中央集権型取引所を上回った。これはこれまで一度もなかったことだ。

仮想通貨データ分析企業のSkewによると、ピーク時にはユニスワップは、現在世界最大のスポット取引所であるコインべース・プロの取引量を一時的に上回った。

ヌーン氏によると、過去12カ月間に分散型取引所が処理した取引量は520億ドルに上るという。

「DEX - 間違いなくDeFiのキラーアプリだ。340万ドルのETH(現存するETHの3%)が現在ユニスワップに鎮座している。ユニスワップは1日の取引量で定期的にCoinbaseを打ち負かしている。DEXは過去12ヶ月で520億ドルのボリュームを処理している」

過去2ヶ月間の主要なDeFiトークンの急激な調整にもかかわらず、分散型取引所のボリュームとDeFiの資本は回復力を維持している。