イーサリアム(ETH)ネットワークのGas(手数料)が通常のおよそ6倍の100Gweiにまで高騰している問題で、あるイオス(EOS)コミュニティによる攻撃が原因である可能性が浮上した。イオスは先月6日にプラットフォームを発表しており、イーサリアムネットワークのガス(Gas)を高騰させることで、イオスの優位性を示そうとしたと見られるという。イーサリアム・ワールド・ニュースなどが15日に伝えた

 賭博分散型アプリケーション(DApps)のPoWH3Dなどの開発者Justo氏によると、同氏を含めた主要DApps開発者ら複数人は、EOSコミュニティが無目的のトークンを生成し、イーサリアムのネットワークを攻撃、ガスを意図的に高騰させているとの見解を示した。このような手口はイオスネットワークで不具合が起こる時は常時使用されているという。

 イーサリアムのブロックエクスプローラーを辿ると、「IFishYunYu」というほとんど無機能のERC20トークンが、1時間につき50ETH(約250万円)という巨額のガスにより、24時間以上継続的に仮想通貨取引所FCoinなどに送金されている。24時間のトランザクションに使われたコストはおよそ6000万円。15日にはこのトークンによる取引がイーサリアムネットワークの取引量の40%を占めた。

 Justo氏が履歴を辿った結果、クラウドファンディングでEOSを大量に受けとったことのあるアドレスが、IFishYunYuの一部を保有していることが分かった。また、このアドレスはイーサリアムネットワークの取引量の20%を占めたHashcoin(こちらもほぼ無機能)も保有していた。

 IFishYunYuは今月初旬におよそ49億トークン生成されている。その後、10アカウントに分配され、さらに500〜600アカウントに送られ、イーサのネットワークを攻撃している。トークンの行方を辿ると、取引の始点となっている一つのメインアドレスに巡回してくるという。

 イオスがメインネットを発表した先月6日までの間、イーサリアムのGasは毎日高騰し続けた後に一旦停止し、ガスは通常料金に戻った。しかし、25日頃から再びイーサリアムのネットワークの遅延が起き始め、ガスが正常ではない形で上昇し始めていた。