待望のイーサリアム上場投資信託(ETF)の開始は市場に楽観的なムードをもたらしたが、すぐに売りが優勢となり、ETH価格の下落を引き起こした。
最新の10xリサーチのレポートによれば、この売りの動きは過去のビットコインETFの開始時に見られたパターンに類似している。
10xリサーチの創設者であるマーカス・ティーレン氏は、「多くのトレーダーはイーサリアムETFがビットコインETFの流入の20%を占めると予測していた」とコインテレグラフに話す。「しかし、彼らはグレースケールからの数十億ドルの流出や、取引所への上場が『ニュースで売る』反応を引き起こす可能性を見落としていた。さらに、仮想通貨市場は季節的に弱い時期に入っている」とに語った。
イーサリアムETFの承認と開始は、マウントゴックスからのBTC弁済と同時に行われ、市場での売り圧力が増大した。
10xリサーチのレポートによれば、グレースケールの90億ドル規模のイーサリアムトラストは大規模な流出を経験し、初日には4億8100万ドル、2日目には3億2600万ドルの流出があった。
さらにレポートはイーサリアムに対して弱気な見通しを示し、期待されたETFの開始前にイーサリアムが過大評価されていたとも指摘している。「イーサリアムは最も弱い状況かもしれない。ファンダメンタルズ(新規ユーザー、収益など)が停滞しているか低下しているからだ」。
ETHの価格は過去24時間で約8%下落し、市場の不確実性の中で3181ドル前後で取引されている。

10xリサーチのレポートは、BTCが「デジタルゴールド」としての地位を享受している一方で、ウォール街のトレーダーはイーサリアムの独自の価値提案を定義するのに苦労していると説明している。「テクノロジー投資はしばしばリスクが高いが、ウォール街の人々は理解できないものに賭けることは通常しない」。
イーサリアムからソラナへのシフト?
7月23日のレポートによれば、10xリサーチはイーサリアムがそのレンジの上限にあることを示すストキャスティクス指標を提示し、市場がピークに達した可能性を示唆している。「90%以上の数値はしばしば調整と関連しており、15%未満のレベルは買いの低さを示している。現在の数値は87%(92%から下落)であり、イーサリアムは安値に向かっているようだ」としている。

レポートはまた、イーサリアムからソラナ(SOL)へのシフトを強調し、ミームコインの発行がイーサリアムではなくソラナブロックチェーンに集中していると指摘している。
レポートは、マウントゴックスからのさらなる弁済、米国の決算シーズンの到来、および「8月と9月の弱い季節要因」を考慮して、さらなる下落が続く可能性があると投資家に警告している。