8月1日にイーサリアム・クラシック(ETC)の3693ブロックのチェーン再編成(Reorg)が発生した。51%攻撃ではないかとの指摘も出たが、イーサリアム・クラッシックラボのテリー・カルバーCEOによると、今回の事象についてはマイナーがオフラインになっていた古いソフトウェアを使用していたことが問題だったことがわかった。

今回の問題については、関係する複数の人物がツイッターで、ETCブロックチェーンの問題点を指摘。その中にはイーサリアム財団のメンバーであるハドソン・ジェイムソンもおり、「取引所は入出金を一時停止する必要がある」と述べている。

ETCの公式ツイッターとイーサリアム・クラシックラボの創設者であるジェームス・ウォー氏はこうした問題を確認。すぐに診断レポートが公開され、違反マイナーを特定したことを説明した。

レポートでは、マイナーは「現状のチェーンでマイニングを続けるべき」と指摘し、過去12時間で発行されたトランザクションは、マイニングされていない可能性があると説明している。トランザクションはネットワークのメモリプール(mempool)に再度送られるという。

テリー・カルバーCEOはReorgは意図的に行われたものではなかったことを説明。違反マイナーが古いソフトウェアと使用し、マイニング時にインターネットのアクセスを12時間失ったことが原因だという。

今回のReorgは約15.4時間分のブロックに影響した。

マイニングソリューションプロバイダーのビットフライ(Bitfly)が指摘するように3693ブロックのネットワーク再編成がブロック10904146で行われた。全ての剪定ノード(不要な過去ブロックを削除して問題が起きないようにするノード:Pruned Node)が同期を停止したという。

Reorgとは

ブロックチェーンは、その名の通り、鎖のようにチェーンが繋がって構成される。その際に、システム上の理由からメインのチェーンから分岐したブロックチェーンが発生する。この分岐したメインではないチェーンを統合するのが再編成であるReorgだ。

これまでに仮想通貨のバージョンアップの他に開発側の対立などでフォークがあるとReorgが行われる場合がある。こうした問題の場合は特に問題があるわけではない。

ただ、Reorgは悪意がある攻撃で実行されることがある。プルーフ・オブ・ワークを採用している場合には計算力の半分以上を占有されてしまう、いわゆる51%攻撃の際に、Reorgされてしまう。懸念事項として、ネットワークがコントロールされてしまう点や、ネットワークの安全性懸念などから価格の下落につながることがあることだ。

イーサリアム・クラシックでは2019年1月に51%攻撃によるReorgが発生したことがある。当時は価格が下落したが、今回のReorgは価格への大きな影響はないようだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン