ICOの仕組み設計にかかわったとされるイーサリアム共同クリエーターのスティーブン・ニラヨフ氏が8日、米CNCBの経済番組の中で、2018年末までにイーサリアムの価格が「楽に」2~3倍になる可能性があるとのべた。日本時間で10日午後5時現在、イーサリアムの時価総額は約14.7兆円でリップルを追い抜いてビットコインの後につけている。ちなみにビットコインの時価総額は約27兆円だ。

 イーサリアムはブロックチェーン技術を使った新たなネットワークの仕組みで、ヴィテリック・ブテリン氏等が13年より開発。価値の送受信が主な目的であるビットコイン・ネットワークとは違い、ブロックチェーン上で実装されたプログラミング言語を使って様々な分散型アプリを開発することが可能な「チューリング完全」なネットワークとされる。また、従来のWEBネットワークに比べセキュリティと匿名性を高める上、自動化された手続きを実行するスマートコントラクト機能を実装するなど、現実社会での様々な応用が期待されている次世代のネットワークシステムだ。

 ニヨラフ氏は「(イーサリアムは)幅広い産業において大きな成長を遂げている。フィンテックはもちろん、エネルギー業界、政府、ゲーム等様々な産業でプロジェクトが展開されている」とした。

 「(イーサリアム関連の)プロジェクトが指数関数的に増えている。昨年より10倍の資金がイーサリアムのエコシステムに流れ込んでおり、年末までに価格が軽く2~3倍になる可能性がある」。

 「通貨としても使われている。低下する取引コストがネットワーク使用量を高めており、イーサリアムのネットワーク効果を高めている。ユーザー、イーサリアム上でつくられるプロジェクト、そしてプログラマーの数も増えている。」

 今後の規模化を狙い、イーサリアムは現在、「メトロポリス」と呼ばれるアップグレードを二段階で推進している。一段階目のハードフォークは「ビザンチウム」とよばれ17年10月に完了。 二段階目にあたる「コンスタンチノープル」や、イーサリアムをプルーフ・オブ・ステークに移行するためのキャスパーとよばれるプロトコルの実施スケジュールは今のところまだ発表されていない。