3月7日の仮想通貨相場は時価総額2位にイーサ(ETH)が牽引している。ビットコイン(BTC)やXRPなど主要コインがほぼ横ばいで動く中、イーサは24時間比で6%以上も上昇した。スケーラビリティ改善が期待されるイーサリアム2.0の導入を前に、イーサに対する期待感が高まっている。
(出典:Coin360 日本時間3月7日11時)
仮想通貨イーサに青信号
既報の通り、世界最大規模の仮想通貨取引所バイナンスが「アルトコインの季節が近づいているかもしれない」というレポートを発表。とりわけイーサの取引高急上昇に注目しており、米国デンバーで行われたイベントでイーサリアム2.0に対する期待と意欲が示されたことをマーケットが交換した可能性があると分析している。
対照的にバイナンスにおけるビットコイン取引のドミナンス(全体に占める割合)は、1月の40%から2月には27%に急落した。
一方、イーサリアムのクジラ(大口投資家)も動き出している。
ブロックチェーンデータ分析企業セインティメント(Santiment)によると、イーサ保有量トップ100のウォレットが保有するイーサは、全体の25%近くまで上昇した。
DeFiパルスによると、分散型金融(DeFi)用にロックアップされた資金は、3月7日、再びドル建で10億ドル(約1050億円)を突破した。仮想通貨相場の下落とともに3月2日には9億3000万ドル(約977億円)まで落ち込んだものの、2日以降は回復傾向にある。
(出典:DeFi Pulse「DeFi用にロックアップされた資金(米ドル)」)
DeFiは、分散型ネットワークを使ったレンディングやデリバティブ、支払いサービスを指す。ロックアップ資金は、融資や金利の獲得、ステーブルコインの発行など様々な用途に使われる。
DeFi用にロックアップされたイーサの額が増えると購入できるイーサが減少するため、イーサ/米ドルには上昇圧力になると考えられている。
ビットコインは「恐怖」
ビットコインは低空飛行が続いている。
昨日に9000ドル回復したものの、執筆までの24時間で1%未満のプラスと伸び悩んでいる。
データ提供会社オールターナティブ・ドット・ミーによると、現在の「ビットコインの恐怖&強欲指数」は39。「恐怖」を示しており、「極端な恐怖」の水準には落ちていない。
先月の中頃までは「強欲」が続いていた。オールターナティブ・ドット・ミーは、強欲になりすぎるとマーケットが調整する傾向があると指摘している。
「ビットコインの恐怖&強欲指数」は、ボラティリティとモメンタム、取引量、調査、ドミナンスとトレンドの5項目をそれぞれ25%、25%、15%、10%、10%で計測される。0(極端な恐怖)から100(極端な強欲)で日々数値を更新している。