イーサリアム(ETH)は金曜に3000ドル近辺まで下落したが、その直前に長期保有者による大量売却が確認されており、一部アナリストはより深い調整につながる可能性を指摘している。

長期保有者が売却を加速

155日以上ETHを保有する「長期保有者」が、主要サポート割れとともに売りを強めている。

グラスノードのアナリストによれば、3〜10年保有者のウォレットから毎日4万5000ETH(約1億4000万ドル相当)が流出しており、90日移動平均で見ると2021年2月以来の高水準となっている。

Source: Glassnode

これは現物イーサリアム上場投資信託(ETF)からの大規模な資金流出と重なる。SoSoValueのデータによれば、イーサリアムETFは木曜に2億5900万ドルの純流出を記録し、10月10日以来で最悪となった。

11月以降の累計流出額は14億2000万ドルに達し、機関投資家の強い売り圧力を示している。

イーサリアムETFの流出入 Source: SoSoValue

オンチェーンデータも需要減を示唆

過去7日間のオンチェーンデータは弱気の兆候が強い。

DefiLlamaによれば、イーサリアムは依然として総ロック価値(TVL)の約56%を占めているものの、過去30日で21%減少した。

特に深刻なのはネットワーク手数料の減少で、ブロックスペース需要の弱まりを意味し、ETH価格の3000ドル付近での弱さを裏付ける。

30日間の手数料でのブロックチェーンランキング Source: Nansen

イーサリアムの直近30日間の手数料収入は2754万ドルと、42%の減少。ソラナは9.8%減、BNBチェーンは45%減となっている。

市場の恐怖感も4月のトランプ大統領による関税発表時の急落局面以来の水準に戻っており、これがさらなる下押し圧力となる可能性がある。

弱気フラッグのターゲットは2500ドル

アナリストらは、明確な強気転換がない限り下落トレンドが加速する恐れがあると警告している。

アナリストのビットコイン・センサス氏は、ETHが50週EMA(約3350ドル)を割り込んだことを指摘し、「過去の同様のブレイクダウンでは大幅な下落につながった」と述べた。直近の例では3400ドルから1380ドルまで約60%下落している。

ETH/USD 週足チャート Source: Bitcoinsensus

ETHは日足で3450ドルを割ったことで弱気フラッグが完成しており、次の主要サポートは3000ドルに位置する。

この水準を失えば、パターンターゲットである2280ドル付近まで約23%の下落余地が生じる。

BTC/USD 日足チャート Source: Cointelegraph/TradingView

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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