イーサリアム(ETH)は2025年12月以降、4000ドルのレジスタンスを下回る水準での取引が続いており、この水準を突破できるかどうか、市場では不透明感が広がっている。4000ドルの壁が厚いなか、強気派が次に注目しているのは「+1σアクティブ実現価格バンド」で、現在はおよそ4500ドル付近に位置している。この指標は、ネットワーク上で実際に取引されているETHの平均取得コストを反映したものだ。

グラスノードのデータによると、このレベルは2024年3月の高値や2020〜2021年のサイクルにおいて上値抵抗として機能しており、過去にはこのラインを明確に突破したことで急騰を招いた一方で、加熱と構造的なボラティリティをもたらすリスクも抱えている。

イーサリアムの実現価格帯 Source: Glassnode/X

この勢いは、ETHの先物市場にも現れている。

ETHの永久先物取引高が2022年以来初めてビットコインを上回り、ETHへのシフトが起きている。また、仮想通貨トレーダーであるバイザンティン・ジェネラル氏は、直近の相場見通しを修正し、以下のように述べた

「ETHの短期下落を予想したのは間違いだったようだ。強すぎるし、明確な調整が全然起きない……これはもう“突き抜けろ”というタイミングに見える」

こうした見方を裏付けるように、イーサリアムの清算マップでは、4,000ドル直上にショートポジションの大量清算ポイントが密集している。仮にこの水準を明確に突破すれば、最大9億3000万ドル相当のポジションが清算される可能性があり、それが一段の上昇を呼び込む展開となるかもしれない。

ETH/USDT の清算ヒートマップ Source: CoinGlass

弱気のダイバージェンスが短期的な警戒要因に

強気な流れが続く一方で、ある重要なテクニカルシグナルがこのラリーに冷や水を浴びせる可能性もある。

4時間足と日足の両方で、イーサリアムは局所的な高値を更新しているものの、相対力指数(RSI)がこれに追随しておらず、弱気のダイバージェンスが出現している。

このダイバージェンスは、過去の局所的な天井で見られた買い疲れの兆候に似ており、短期的な調整局面の前兆となる可能性がある。日足チャートをみると、3500ドルを上抜けて以降、継続的な弱気ダイバージェンスが解消されておらず、4000ドルを出来高を伴って明確に突破できない場合、短期的な反落も視野に入る。

Source: Cointelegraph/TradingView

仮に調整が起きた場合、短期的なサポートゾーンは3700ドルをわずかに下回る水準であり、そこには狭いフェアバリューギャップ(FVG)が存在している。

しかし、弱気の圧力が継続する場合、イーサリアムは長期的なFVGである3200〜3300ドルのゾーンを試す可能性があり、弱気な下方ブレイクにつながる恐れもある。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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