仮想通貨相場が大幅に下落する中で、ビットコイン先物は建玉が減少する一方、イーサリアム先物の出来高が急増している。

仮想通貨データプロバイダーのSkew(スキュー)よると各取引所などの先物が26日に昨年5月並みの水準まで上昇した。

イーサ先物

(出典:スキュー「イーサリアム先物のボリューム」)

昨年相場が高騰していた5月にはイーサリアム先物のボリュームは54億5000万ドル(約5944億円)だったが、27日には52億ドル(5670億円)まで上昇している。

特に香港を拠点とする仮想通貨デリバティブ取引所FTXで1日の取引高が2億4500万ドル(約267億円)に急騰。前日の1億6200万ドル(約176億円)から51%増加した。一方で最も多かったのはフォビで19億ドル(約2072億円)、続いてOKExが13億ドル(約1410億円)だった。

また、未決済先物である建玉も急増している。FTXでは2月20日には過去最高の8100万ドルに増加。27日時点でも7200万ドルと高い数値を示している。

ftx

(出典:スキュー「FTXのイーサリアム先物建玉」)

28日午後13時過ぎのイーサは229ドル付近を推移し、24時間で4%以上増加と、前日の急落からわずかに反発している。

ビットコイン先物は不調

一方でビットコインは低調だ。

シカゴマーカンタイル取引所(CME)が手がけるビットコイン先物は21日に取引高が1億1800万ドルで2020年の最低水準を記録。26日時点では4億4400万ドルまで回復している。

CMEは2月11日にビットコイン先物の建玉が3億1400万ドル(約342億円)まで増加。こちらも過去最高を塗り替えたばかりだった。当時はライバル社のバックトのビットコイン先物(現物受け渡しと現金決済の両方)の取引高も3700万ドル(約40億円)と過去最高を記録し、仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)市場が盛り上がっていた。


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