ブロックチェーンのインフラ・プロバイダー、BitFuryが、暗号業界における著名人70人以上を集め、2016年1月にラウンドテーブル・カンファレンスを開催した。

一年にわたるブロックサイズ変更にまつわる問題を受けて、ビットコインの未来を懸念し北米ビットコイン・カンファレンスが開かれ、ついに長きに渡る問題解決のために具体的な合意へと向かった。

今回のカンファレンスは、今月香港で行われたものに引き続き行われたもので、コミュニティからのサポートを受け、2017年までにハードフォークが敢行されるといった内容のものだ。

BitFury CEO、Valery Vavilov氏は、どちらのカンファレンスにも参加しており、コインテレグラフにemailにて先のカンファレンスの内容について次のように語っている―

 

「ビットコイン・ブロックチェーン業界のリーダーとして、ビットコイン・ブロックチェーンが確実に成功するよう、様々な課題に対処するため尽力してくれたコミュニティの人々と共に、有意義な対話の時間を設けることができたのは、とても重要なことだったと思っています」

 

Bitcoin ClassicやBitcoin Unlimitedが誕生し、ブロックサイズ変更に関する問題によって、少しずつ暗号通貨業界内で反感や懸念が生まれ始めている。企業、消費者共にその反応は様々だ。

 

The Bitcoin Conference Consensus

先月二つ目のベータ版がリリースされたことを受けて、Bitcoin Classicによる品評会が開催されたが、複数のブロックチェーンの同時運用による影響についての問題など、まだ懸念事項は残っている。一方で、支持者たちは、ビットコインの将来的な商業展開と、ビットコインへの信頼を確実なものにするためにも、長期的な投機によってビットコインにどのような影響が及ぶのか、その検証のためにも実験的に運用して実証するべきだ、としている。

カンファレンスでの公式発表は次のような内容だ―

 

「ハードフォーク敢行に関して様々な議論がなされているが、どのようなものにもリスクは存在し、不適切に実装されてしまった場合、互換性のない二つのバージョンのブロックチェーンを生む結果になってしまう可能性がある。そのため、今後ユーザーのビットコイン資産が無くなってしまうような事態を避けるためにも、リスクを最小限に抑える必要がある。現在のハードフォークに関する議論はビットコインのエコシステムにとって非常に害を及ぼすようなものであることは明白だ、と我々は強く感じている」

 

カンファレンスでは、SegWitを通じた初期ブロックサイズ増加について支持されており、香港で行われたラウンドテーブル・カンファレンスでの声明が改めて強調されている。

 

BitFuryのスタンス

「ビットコイン・コミュニティ内での意見が一致し、彼らのモチベーションがいかに高いか知ることができて、励まされました」と、Vavliov氏はラウンドテーブル内に漂っていた雰囲気についてコメントしている。「コア・デベロッパーたちの全体的なムードは、ビットコイン・ブロックチェーン企業の人々と同様とても楽観的で、決然としたものでした」と同氏。

 

NABCラウンドテーブルには他にも、BlockStreamのAdam Back氏や、Genesis MiningのLedge Marco氏、Bitcoin Classic TeamからMarshall Long氏、Blockchain.info、コア・デベロッパーであるGavin Andersen氏やLuke-Jr氏、”ビットコイン界の神”として知られる、Roger Ver氏などが参加している。

 

結果として、Bitcoin ClassicとUnlimited blockchainsに関して、「合理的に行動し、論争を呼ぶようなハードフォークの敢行は延期するべきだ」と、具体的にチームがユーザーにアドバイスしたことにより、”5ポイント・プラン”がブロックサイズ問題の解決策として採用された。

 

「我々の共通目標は、ビットコインが成功すること」と、ラウンドテーブルでの議論を経て結論付けました。「ビットコインには強力で変革的なポテンシャルがあります。互いに協力し合えば、ビットコインの未来はきっと明るいものになると保証します」

一方で、Vavliov氏はビットコインの究極の使いやすさと将来性の保全を考慮して、BitFuryのスタンスについてその考えを練り上げている。

 

「ブロックサイズ問題について合意したことで、大きく三つの利益がコミュニティにもたらされることになります」

 

同氏は次のようにその内容について説明している―

 

「一つ目は、ビットコインネットワークが適切にユーサビリティを拡張できるということ。

二つ目は、ブロックサイズ変更問題に関して合意を得たことによって、ビットコイン、ブロックチェーンのコミュニティが、誰一人として参加者を置き去りにすることなく、足並みをそろえ同じ方向に進むことが出来るようになるという点です。

そして三つ目は、こうして反対意見をきちんとまとめあげることができたということは、メインストリームへとさらに歩を進め、さらなる人々の信頼を得るポテンシャルがビットコイン・コミュニティにはあるという証明であり、ビットコインの未来にとって大いに意味がある、ということです」