エルサルバドル政府がビットコインを法定通貨とする法律を可決したことに対し、抗議者団体が現れた。

エルサルバドルのニュースメディア「El Mundo」がこのほどツイートした内容によると、路上で「ビットコインにノー」と書かれたバナーを持ったエルサルバドル人が、同国のビットコイン法の廃止を要求している様子が映し出されている。ツイートでは立法議会議員のアナベル・ベローゾ氏とディナ・アルゲタ氏が抗議者団体と話し合う様子も投稿されている。

抗議者団体「民衆の抵抗と反乱軍」は、抗議行動で公開された手紙の中で、ナジブ・ブケレ大統領が国民との適切な協議なしに、ビットコインを法定通貨とする法律を可決したと主張。また、ビットコインのボラティリティが大きいことから、ビットコインの投資を宝くじに例えて、「宝くじに賭けるのは自発的な行為だが、ビットコインは法律で義務付けられている」と非難した。

しかし、ビットコインへの主な不満は、エルサルバドルの一般市民と、政府による仮想通貨の使用における格差に集中しているようだ。デモ参加者たちは、ビットコインは「一部の大企業、特に政府とつながっている企業が不正に得たお金を洗浄するのに役立つだけだ」と指摘した。

「ビットコインに資本を投入した起業家は、その収益に対して税金を支払うことはない。さらに、ビットコインのために、政府は国民が納めた税金を何百万ドルも使うことになる」

さらに彼らは以下のように付け加えた。

「ビットコインは、公共の腐敗や麻薬、武器、人身売買、恐喝者、脱税者の活動を促進する。また、金銭的な混乱を引き起こす。人々の給料、年金、貯蓄に打撃を与え、多くの中小企業を破滅させ、低所得者層に影響を与え、中間層にも打撃を与えるだろう」

エルサルバドル政府はビットコインを法定通貨とする法案を可決し、6月にブケレ大統領が署名したものの、ビットコインを国内の法定通貨として認める法律は、9月7日まで発効しない。民衆の抵抗と反乱軍は、この法律の廃止を要求している。また、世界銀行は、エルサルバドルがビットコインに適した枠組みに移行するための支援を、「環境と透明性の欠如」を考慮して拒否している。