エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領のビットコイン購入戦略が実を結んでいる。最近のビットコイン(BTC)相場の上昇に伴い、同国はドルコスト平均購入価格に対して70%の利益を稼いでいる。

ナジブ・トラッカーによると、エルサルバドルが保有するビットコインは現在8500万ドルの利益を上げている。ビットコイン価格は3月11日に7万2000ドルを超える新たな最高値を記録した。

中米のエルサルバドルは2021年9月にビットコインを法定通貨として採用した際にBTCの購入を開始した。初回の200BTC購入時のビットコイン価格は5万1769ドルだった。

しかし、ビットコインが2021年11月のピーク時の6万9000ドルから下落し、その後の弱気市場で1万6000ドルまで落ち込んだことで、ブケレ大統領のビットコイン戦略は疑問視されていた。ポートフォリオは大きく赤字に転落したが、2月にBTC価格がドルコスト平均の4万2600ドルを超えると再び損益分岐点に戻り、現在は利益に転じている。

エルサルバドルが保有する全ポートフォリオは2861BTCにのぼり、現在の価値は2億730万ドルとなっている。

エルサルバドルのビットコイン購入. Source: nayibtracker.com

3月12日、ブケレ大統領はビットコイン保有による含み益に加え、同国のパスポートプログラムからのビットコイン収益、地元企業へのBTCからUSDへの交換収益、BTCマイニングからの収益、政府サービスからの収益があるとコメントした

昨年12月、エルサルバドルはビットコイン寄付を行う外国人に市民権を付与する移民法を承認している。これらの寄付は政府の社会経済開発プログラムに向けられる。

昨年10月には、ボルケーノ・エナジーとルクソール・テクノロジーとのパートナーシップにより、国内初のビットコインマイニングプールを立ち上げた

ビットコインが10万ドルに達すると、エルサルバドルは国際通貨基金(IMF)に対する負債を返済することができるかもしれないと、ベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパーは指摘している。そうなれば、同国はまもなく財政的に独立できることになる。

ブケレは2月の大統領選挙で勝利を収めた。また同時に行われた総選挙では、与党が大多数の議席を確保している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン