仮想通貨ワールドコインを購入・保有する方針を発表したことを受け、Eコマース在庫管理プラットフォームを手掛けるエイトコ・ホールディングスの株価が1日で3000%以上急騰した。ワールドコインは、サム・アルトマン氏の網膜スキャン型デジタルIDプロジェクトのネイティブトークンだ。
エイトコは月曜、「世界初のワールドコイントレジャリー戦略を実行する」ため、約2億5000万ドルを調達する株式売却を計画していると発表した。この売却は、1株1.46ドルで1億7123万株の普通株を私募で発行する内容だ。
さらに、上場企業の中で最大のイーサリアム(ETH)保有量を誇るビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが、2000万ドルで1370万株を購入したことも明らかにした。
株価は取引終了時に3000%超高騰
エイトコ・ホールディングス(ティッカー:OCTO)の株価は月曜の取引終了時に前日比3009%近く上昇し、45.08ドルで取引を終えた。日中は80ドル超に達した後やや冷え込んだが、金曜の1.45ドルから大幅な上昇となった。
時間外取引ではやや反落し、6%近く下落して42.40ドルとなった。
エイトコは、今回の2億5000万ドルの株式売却を木曜に実施予定で、ワールド財団、クラーケン、ファルコンXなどが参加する見込みだ。
調達資金はワールドコイン(WLD)の購入に充てられ、「主要な財務準備資産」として保有する。同時に本業の運営にも注力する方針であり、イーサリアムを副次的資産として購入する可能性もあるという。
さらに同社は、ティッカーシンボルを「ORBS」に変更する予定で、これはワールドコイン発行元のワールド・ネットワークが用いる網膜スキャン装置にちなんでいる。
OpenAIの共同創業者兼CEOであるアルトマン氏は、このプロジェクトを通じてオンライン上で人間を認証し、網膜をスキャンすることでワールドコインと提携企業エコシステムへのアクセスを提供する仕組みを構築した。
しかし、このプロジェクトは個人情報保護法違反で規制当局の反発を招き、複数の国で制限や停止、全面禁止措置を受けている。
アルトマン氏は声明で「我々の使命が成功すれば、ワールドはオンライン上で最大のリアルな人々のネットワークとなり、インターネット上の交流や取引のあり方を根本的に変える」と述べた。
エイトコ、ダン・アイヴス氏を会長に任命
エイトコは、証券会社ウェドブッシュ・セキュリティーズでテック調査部門を率いるダン・アイヴス氏が取締役会長に就任すると発表した。
アイヴス氏はテック業界に関する積極的な発言で知られ、昨年12月には「テックセクターは最長で3年間強気市場が続く」との見解を示していた。今年初めには人工知能(AI)関連企業を追跡する上場投資信託も立ち上げている。
同氏は今回の就任について「認証と人間であることの証明を巡るAI革命の次のステップを意味する」と述べた。
「AIの未来には、このAI主導の第四次産業革命においてワールドが先導することが求められる」とも付け加えた。
ワールドコインも急騰
一方、ワールドコインはエイトコのトレジャリー戦略を受け、過去24時間で49.2%上昇した。
トークン価格は1.54ドルで、過去7日間で80.5%の上昇を記録している。
今年4月7日には0.58ドル前後の史上最安値を付けたが、その後仮想通貨市場とともに回復している。ただし、2024年3月初旬に記録した11.74ドルのピークからは約87%下落している。
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