2022年5月に崩壊したステーブルコインUSTの開発元であるテラフォーム・ラボは1月21日、米国で破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。

同社は、デラウェア州連邦破産裁判所に申請書を提出し、1億ドルから5億ドルの負債と資産の推定額を明らかにした。

Kwon’s Terraform Labs filed for bankruptcy protections on Jan. 21. Source: CourtListener

テラフォーム・ラボのクリス・アマニCEOは声明で、「テラコミュニティとエコシステムは困難に直面しても前例のない回復力を示してきた。今回の措置は、残された法的な課題を解決しながら、私たちの目標に向かって取り組み続けるために必要な行動だ」と述べた。

「私たちは以前にも大きな課題を乗り越えてきた。デペッグ後もエコシステムは生き残り、新たな形で成長を遂げた。残された法的手続きが成功することを期待している」

破産申請の4日前には、米証券取引委員会(SEC)が、クォン氏の裁判を3月25日に延期することで合意した。

クォン氏のテラエコシステムは、2022年5月に破綻した。同社が破綻した後、共同創業者であるクォン氏の行方は不明だったが、3月には偽造旅券を使って国外脱出を図ったとしてモンテネグロで逮捕された。

SECは、2023年2月にテラフォーム・ラボとクォン氏に対して民事訴訟を提起。両者は、かつてUSTとテラ(LUNA)と呼ばれていたトークンに関する「数十億ドル規模の仮想通貨証券詐欺」を主導したとされる。

現在、米国と韓国の両国はクォン氏の身柄引き渡しを求めている。クォン氏が送還された場合、両国で複数の判決を受ける可能性があるとの憶測が高まっている。

クォン氏が韓国に身柄引き渡された場合、同国で最大40年の懲役刑に処されるとされている。