著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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75日移動平均線で反発も戻り鈍い

ETC/JPY 日足 Bidチャート(DMM Bitcoinの取引ツールより作成)

上図は、ETC/JPYの日足チャート(期間:2021/04/08~現在)である。

年初から上昇基調が継続していたETC/JPYは、5月に入り暗号資産全般への買い意欲を背景に、米国Robinhoodの取扱銘柄であることもあいまってか、5/6には史上最高値となる18,000円に到達した。

しかし、その後は暗号資産全体のリスクオフも重なったこともあり、翌日以降、軟調な展開が継続し、5/22には一か月ぶりとなる4,000円割れの水準にまで下落した。

5月末にかけては自律反発の局面が見られ50日移動平均線をサポートに下値を切り上げたものの、上値も重く、6/5には50日移動平均線に触れないまま下押した(赤矢印)。

現在は最高値の半値八掛け二割引である5,760円付近を推移している。

現在のETC/JPYは、半値八掛け二割引のほかに、次の3点からも重要な局面といえる。

①75日移動平均線の接近
②5,000円付近のサポートの攻防
③2020年高値付近のサポート

①75日移動平均線の接近

75日移動平均線は、今年1月にETC/JPYが上抜けてから5/19に下押すまで一度も触れることのなかったサポートラインであり、5/23の下落時にもサポートとして機能している(上図黄矢印【1】)。
現在のETC/JPYを日足以上の期間でみるうえで、上昇トレンドが依然継続していると判断する上での根拠の一つとなりうる。

この75日移動平均線であるが、6/8営業日に再び接近しており(上図黄矢印【2】)、今回も反発できるか注目される。日足終値ベースで2営業日以上下回った際には、市場参加者に上昇トレンドの終焉を彷彿させ、上値の重い展開の継続となりそうだ。

②5,000円付近のサポートの攻防

今年4月末までのETC/JPYの年内最高値は5,190円であるが、5月下旬の下落では、この価格帯を終値ベースで上回って引けるなど、サポートとして意識されていた。

このため、5,000円付近の価格帯を意識した攻防が想定される。この価格帯を割った場合には、弱気相場入りと判断され、下値模索の展開となる可能性も視野に入れておきたい。

③2020年の高値付近のサポート

5,500円は、2020年の年内最高値である。ETC/JPY は昨年2月に5,500円をつけてから、8ヶ月以上の長期に渡って下落トレンドとなった。この節目を下回った際には、ETC/JPYの弱気相場入りを警戒した市場参加者の手控えが起こりうると考えることができそうだ。

また、ETC/JPYのチャートを見るうえで、ETC/ETHのチャートもあわせてみておきたい。

年初からのETC/JPYの上昇であるが、ETC特有の主な強気材料は、①昨年10月に51%攻撃の対応策が導入されたこと、②米国の個人投資家向けアプリに上場していることの2点に代表されるように、ETC自体のファンダメンタルズ材料は少ない。

このため、ETCの上昇も、多くはETF上場申請やNFT銘柄として注目を浴びたETHに牽引された可能性が考えられる。

ETCは時価総額や流動性、知名度等の面でETHと比較したとき、グロース銘柄のような側面(≒強気相場で、伸びしろを期待された小型株が高PERにも関わらずさらに高いパフォーマンスを見せる現象)があったともいえそうだ。

つまり、ETC/ETHは、年前半のアルトコイン相場における市場参加者のリスク選好姿勢を表しているとも捉えることができる。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。