著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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2021年以降、BTCとGOLDは負の相関(逆相関)

BTC対GOLD比較図(Investing.comより作成)

上図は、2021年1月1日から8月10日のスポット市場におけるBTC(ビットコイン)とGOLD(ゴールド)の価格を比較したグラフである。

同期間のBTCとGOLDの相関係数は-0.62と負の相関関係にある。BTCはデジタルゴールドと呼ばれることがあり、マーケットにおいて、ゴールドと同じ分類をされることが多い。BTCの発行総量(上限)は約2,100万BTCと決められていることや、GOLDは再生可能な資源ではなく埋蔵量の限られた枯渇性資源であることから、市場に出回る供給量が限られており、一般集中規制がない。そのため、BTCとGOLDはインフレヘッジの逃避先として安全な資産であるとみなされる特色がある。

以上のことを踏まえると、上図は正の相関となるはずであるが、実際は負の相関となった。要因として1つ挙げられるのは「高いボラティリティ」である。

BTCはGOLDを大きく上回るボラティリティ

BTC対GOLD ボラティリティ比較表(Investing.comより作成)

上表は、同期間(2021年1月1日から8月10日)のBTCとGOLDの前日比をまとめた表である。最大値、最小値、平均値(上昇)、平均値(下落)の4項目ともにBTCの方がGOLDよりもボラティリティが高いことが分かる。

BTCはGOLDより約6~7倍のボラティリティ(平均値(上昇):4.35%÷0.61%≒7倍。平均値(下落):-3.86%÷-0.69%≒6倍)、逆相関で見ると約6倍(4.35%÷0.69%≒6倍、3.86%÷0.61%≒6倍)を誇り、投機筋(短期的な利益を狙った運用)にとっては、想定を超える過度なボラティリティによるロスカットが多発しやすいため、ボラティリティがさらなるボラティリティを招くことになる。

また、安全資産としての括りで見るとすれば、運用において急変リスクを避けるために乗り換えを行っている可能性が考えられる。例えば、BTCが急落した場合にBTCを売り、GOLDを買うといった行動である。これはBTCとGOLD間に負の相関関係を引き起こす一因となりうる。

また、市場がBTCとGOLDを1つのポートフォリオとして互いに干渉している可能性もありうる。BTC価格が、テスラ社のイーロン・マスク氏のツイッター上でのツイートや米Amazon社が決済手段としてBTCを採用するとの報道(後日、米Amazon社は報道を否定)などで吊り上がったことは記憶に新しいが、暗号資産市場はネガティブ・ポジティブニュースやFUD(Fear(恐怖)、Uncertainty(不確実性)、Doubt(疑念)の頭文字を組合わせた言葉)に敏感に反応する傾向がある。

こうしたアクティブな動きが、逃避的な市場として互いに補完し合い、結果としてBTCとGOLDの逆相関を導いていると言えるかもしれない。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。