仮想通貨分析のメサーリ(Messari)による最新の分散型金融(DeFi)レポートによると、分散型取引所(DEX)トークンの年初来の利益は、中央集権型取引所のトークンの5倍以上となっている。
年初からDEXトークンは平均241%上昇しているが、中央集権型取引所のトークンは44%上昇にとどまっている。
レポートでは、Kyberのトークン(KNC)は420%の上昇と最も高いパフォーマンスを示している。次いでLRCは331%の上昇。ASTは205%の上昇となっている。
出典: Messari
DEXのスポットでの取引高は500万ドルから2500万ドルに増加し、取引高全体の中でDEXのシェアは0.5%増加した。中央集権型取引所と比較するとまだ規模は小さいものの、トレーダーが最低価格を取得するためのDEXアグリゲーターの貢献もあり、はるかに速く成長している。
メサーリのリサーチャーのジャック・パーディは次のように説明している。
「寄与している要因は、@1inchExchangeや@DEXAG_TokenWireなどのDEXアグリゲーターへの注目が高まっていることだ」
レポートでは、ほとんどすべての主要なDEXがメジャーアップレグレードされているか、まもなくアップグレードされることで、スケーラビリティと流動性のインセンティブが増加し、それぞれのトークンへの関心が高まっていると指摘している。
出典: Messari 多くのDEXではアップグレードが進んでいる
取引高は、バイナンスやフォビといった大手取引所に比べるとまだ小規模なままだが、パーディ氏はこれらの取引所が真価を発揮する余地があると指摘している。
「中央集権型取引所の収益を見ると、DEXはこの段階まで到達するまでは長い道のりとなるだろう。…しかし、DEXが持つ1つの利点は、中央集権型の組織の存在・善意に依存しないことだ。…これは、経済的にもユーザーの信頼の観点からも、よりスケーラブルであることが証明される可能性がある」
中央集権型の取引所では、トークンがバーンされることがある。これにより、供給量が減少することでトークンの価格が上がる。ただし、このプロセスは完全に組織の裁量に委ねられており、トークン所有者は流動性などについて取引所に依存している。
これと比較すると、DEXトークンには大きな可能性(および潜在的なリスク)があるといえる。DEXの取引高は比較的少ないため、継続的に成長することで、トークン所有者の収益が飛躍的に増加する可能性があるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン