仮想通貨の弱気相場でも、スイスとリヒテンシュタインでの仮想通貨・ブロックチェーン関連企業は増え続けている。スイスの仮想通貨投資会社クリプトバレー・ベンチャーキャピタル(CVVC)が24日に調査レポートを発表した。

CVVCのレポートによれば、2018年末時点でスイスとリヒテンシュタインには750社の仮想通貨・ブロックチェーン関連企業が存在する。18年9月末時点から121社増え、約20%増加した形だ。

CVVCによれば、10億ドル以上の価値を持つユニコーン企業4社がこの地域で展開している。ビットメイン、カルダノ、ディフィニティ、イーサリアムの4つだ。また、仮想通貨・ブロックチェーン企業の多くは、「クリプトバレー」とも呼ばれるスイス・ツーク州に集積している。

またこの地域で仮想通貨・ブロックチェーン関連企業で働く従業員の数は3300人に及ぶが、そのほとんどはスイスのツークとチューリッヒに集中している。

企業数は増加している一方で、最近の仮想通貨価格の下落により、同地域で活動する仮想通貨・ブロックチェーン企業上位50社の市場価値は下落している。18年第4四半期だけで440億ドルから200億ドルに減少した。

スイスとリヒテンシュタインは、マルタなどと並び、仮想通貨・ブロックチェーン産業の支援に積極的に取り組んでいる。リヒテンシュタインのハスラー首相は、ブロックチェーン関連ビジネスを規制するための新しい法律に取り組むことを表明している。

スイス政府は仮想通貨・ブロックチェーンに特化した法律を制定していないが、スイスのモーラー財務相は昨年12月の講演で既存の法制度を修正した上で新しい技術と金融サービスに対応していく考えを示した。スイス政府は2019年に民法や破産法など6つの法律を改正する予定だ。