経済不安と主要仮想通貨取引所に対するハッキングの影響を受け、2025年第1四半期には分散型金融(DeFi)プロトコルにおける総ロック価値(TVL)は1560億ドルまで減少した。一方で、人工知能(AI)およびソーシャルアプリはネットワーク利用者の増加を背景に成長を見せた。

4月3日に公開されたDappRadarのレポートによれば、「より広範な経済的不確実性とバイビットのハッキングによる余波」がDeFi分野のTVLを前四半期比27%減少させた。報告期間中、イーサリアム(ETH)は45%下落し、1820ドルとなった。

DeFiのTVLの変化. Source: DappRadar

TVLで最大のブロックチェーンであるイーサリアムは、960億ドルまで37%下落。また、TVL上位10チェーンの中で最も大きな打撃を受けたのはSuiで、44%減少して20億ドルとなった。

ソラナ、トロン、アービトラムといったチェーンも、それぞれTVLを30%以上減らしている。

特に、DeFiからの資金引き出しが多く、プロトコル内にロックされたステーブルコインの比率が低いブロックチェーンほど、トークン価格において下落圧力を受けやすかった。

一方、DappRadarによれば、新たにローンチされたベラチェーン(Berachain)はTVL上位10チェーンの中で唯一成長を記録し、2月6日から3月31日までに51.7億ドルを集めたという。

市場低迷の中でもAIとソーシャルアプリはユーザー増加

市場の下落にもかかわらず、AIプロトコルおよびソーシャルアプリとやり取りするユニークアクティブウォレット(DUAW)の数は、それぞれ29%増と10%増になったとDappRadarは報告している。

AIおよびソーシャル系プロトコルにおけるDUAWの月間平均は、それぞれ260万件、280万件に達した。一方、DeFiおよびGameFi分野では2桁の減少が見られた。

DappRadarはAIエージェントプロトコルの成長について「爆発的」と表現し、「もはや概念ではなく、すでに存在しており、新たなユーザー行動を形づくっている」と述べている。

Change in DeFi total value locked between Jan. 2024 and March 2025. Source: DappRadar

 

一方、NFTの取引高は25%減の15億ドルとなった。OKXのNFTマーケットプレイスが最多の売上を記録し、6億600万ドルを計上。オープンシーとブラーはそれぞれ5億9900万ドル、5億6500万ドルの取引高だった。

最も売れたNFTコレクションはプジー・ペンギンズで1億7700万ドルに達し、クリプトパンクスはわずか477件の販売ながら6360万ドルを記録したとDappRadarは述べている。

「主要コレクションを分析すると、クリプトパンクスはいまだに代表的な存在であり、一般ユーザーのyほとんどがアクセスできない状態にも関わらず、その権威は変わらないままだ」と報告は指摘している。