仮想通貨イーサ(ETH)が暴落する中、イーサリアムネットワークの分散型金融(DeFi)の最大のプレイヤーであるメーカーダオ(MakerDAO)は、緊急シャットダウンなどの対応について検討している。ただ現時点では緊急シャットダウンの可能性は低いとしている。
仮想通貨相場が暴落する中、メーカーダオ財団のメンバーと開発者は12日、ETH価格の下落がメーカーダオの貸付プロトコルに与えた損害を評価するための議論を行った。
メーカーダオは、ETHを担保としてステーブルコインDAIを貸し出している。ETHの市場価格が下落すると、メーカーダオのプロトコルは自動的にオークションで担保となるEHTを売却する形となっている。しかし最近の市場急落では、プロトコルによるオークションで対応するには損失が大きすぎることがわかった。
今のところ、関係者はプロトコルを無効化することは避けたいと望んでいる。イーサリアム開発者のライアン・ベッカーマンズは次のように述べている。
「緊急シャットダウン(現在は発生していないが)により、DAI保有者はヘアカット(担保価値の削減)を受け入れることになるが、メーカーダオの社会契約では、システム障害が発生した場合にはMRKトークンがヘアカットすることになる。そのため、可能な場合は緊急シャットダウンを避け、MRKホルダーがヘアカットを受け入れるように試みるべきだろう。今のところ、緊急シャットダウンは選択肢とは考えられていないと聞いている」
開発者のLongForWisdomが言っているように、シャットダウンは現時点ではまだ現実的なオプションではないようだ。だが、ETHが80ドル程度にまで下がった場合に合理的な選択肢にあり得るという。もしくは「イーサ価格が再び30~40%暴落した場合、我々はそれを検討することになるだろう」と述べている。
コインテレグラフは、メーカーダオ財団にコメントを求めたが、現時点では返答は得られていない。