より多くの人工知能（AI）関連のベンチャー企業がブロックチェーン上でサービスを展開し、AIの開発における課題を解決しようとしている。
テクノロジー大手による生成AIの支配に対抗するため、フェッチエーアイ、シンギュラリティネット、オーシャンプロトコルが数十億ドル規模の合併を行ったが、他のプロトコルも同様の戦略を模索している。
オープンソースプロトコルのルメリンは、モーフィアスやエクサビッツと提携し、分散型コンピュータリソースを活用した「AIエージェント経済」を推進している。
モーフィアスはユーザーとAIサービスおよびコンピューティングリソースを結びつける役割を果たし、ルメリンはモーフィアスネットワーク内のデータフローを管理し、コアノードソフトウェアの開発を担う。エクサビッツは分散型AIコンピューティングのベースレイヤープロトコルとして、複雑な計算に必要なコンピュータハードウェアを提供する。
この分散型インフラストラクチャにより、これらの企業が想定する未来のAIが実現する見込みだ。ユーザーに代わってエージェントがWeb2とWeb3のエコシステム間でタスクを実行し、トークンの交換、ステーキング、スワッピングなどの金融サービスを「Siriに話しかけるように簡単に」行えるようになる。
「私たちは自律経済という新しいパラダイムに移行している」とルメリンのプロジェクトリーダー、ライアン・コンドロン氏はコインテレグラフに語った。
市場予測によれば、新たに発展するブロックチェーンAI市場は2025年までに7億300万ドルに成長し、年平均成長率は25.3%に達するとされている。
AI開発における課題がこの拡大を支えている。マサチューセッツ工科大学（MIT）の研究者によると、これらの課題はデータへのアクセス制限、柔軟性のないモデル、データやアルゴリズムの透明性と説明責任の欠如などだ。
「集中型AIモデルは、固有のバイアスが生じやすく、検閲や独占のリスクを高める」とルメリンは指摘している。AIの分散化は、ユーザーのコンテキストがChatGPTやジェミニのような集中型AIシステムに保存されないことを意味し、ピアツーピアのやり取りがよりプライベートになるが、課題も少なくない。
コンドロン氏によれば、この分野のスタートアップは時間と人材の確保に苦労しているという。「分散型ネットワークのためのオープンソースソフトウェア開発は、企業内での製品開発とは非常に異なる。初期段階でのエンジニアリングレベルでの調整と一貫性の課題は克服が難しい」という。
エクサビッツの最高マーケティング責任者であるダグ・キーニー氏は、人類に利益をもたらす世界を構築するためには独立したAIが不可欠だとかが寝ている。「私たちが知性を所有するためには、AIの分散型アプローチが必要だ」。