Barstool Sportsの創設者であるデイブ・ポートノイ氏は、仮想通貨プロジェクト「リブラ(LIBRA)」の創設者であるヘイデン・デイビス氏から、プロモーションの対価として受け取った600万LIBRAトークンを返還したことを明らかにした。
デイビス氏はSNS上でリブラを宣伝する見返りとしてトークンを受け取ったことを公表しないようポートノイ氏に求めたため、ポートノイ氏はトークンを返却したという。
2月16日にX(旧Twitter)のスペースで行われた対談で、ポートノイ氏は、報酬として約600万〜650万LIBRAトークンを受け取ったが、自らもLIBRAトークンを購入していたと語った。ポートノイ氏は、デイビス氏に対して次のように伝えたという。
「コインをくれるなら、俺がコインを受け取ってプロジェクトに関わっているって公言するのを許さなきゃダメだろ? だから、マジでトークンを送り返したんだ。この一件が起こる前、俺がこれがヤバいプロジェクトだと気付く前の話だ」
ポートノイ氏は、自身が購入したLIBRAトークンは保持していたものの、その後価値が暴落し、トークンの崩壊に伴いデイビス氏と連絡を取り続けていたことを明らかにした。
最終的に、ポートノイ氏はデイビス氏が意図的に「ラグプル」(詐欺的な資金持ち逃げ)を行ったとは考えておらず、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領がローンチ時にデイビス氏を予期せず切り捨てたことで、予想外の混乱を招いた可能性が高いと結論付けた。
The Libra token collapsed almost immediately following launch. Source: DexScreener
ハビエル・ミレイ大統領、トークンローンチの失敗で窮地に
「Viva la Libertad」は、アルゼンチンの中小企業やスタートアップへの資金供給を目的としたプロジェクトとして売り出され、その一環として仮想通貨トークン「リブラ(LIBRA)」が導入された。
ミレイ大統領は、当初このトークンを支持し、Xの投稿でプロモーションを行ったが、その後すぐに削除された。LIBRAトークンは価格が95%以上暴落し、約1億700万ドルの流動性が消失した。
リブラの崩壊とインサイダーによるラグプル疑惑を受け、ミレイ大統領はこのプロジェクトから距離を置き、ネット上で宣伝する前には詳細を把握していなかったと主張している。
しかし、政治的な対立勢力は、この事件をアルゼンチンの国際的な信用を損ねる「恥ずべき出来事」として非難しており、大統領弾劾の可能性も浮上している。
仮に野党勢力が弾劾手続きを進めた場合、2023年11月に選出されたミレイ大統領は、辞任を余儀なくされる可能性がある。