ダッシュ・コア・グループのライアン・テイラーCEOは、23日にコインテレグラフのインタビューに応じ、「どのような形態のマネーを使うのかは、人々が決めることだが」と留保をつけた上で、中央銀行による仮想通貨発行は「不可避の未来だ」と語った

Money20/20のカンファレンスでコインテレグラフとのインタビューに応じた。テイラー氏は、中央銀行が独自の仮想通貨発行に明確な利点があると指摘。一方で、マーケットがそれに対してどのように反応するかについては不明確だとも語った。テイラー氏は「自由市場の方が、究極的には政府よりも優れたマネーをデザインできる」と強調した。

「私はそれが不可避だと思う。彼ら〔政府〕は自身の仮想通貨を発行するだろう。自ら望んでか、もしくは競合国の圧力によるものか、いずれにしてもだ。しかし、私はそれが最大のイノベーションが起こる場所だとは思わない」

テイラー氏は「小規模な政府ほどリスクが低く、最初に動き出すだろう」と語った。またテイラー氏は、米国政府が来年から仮想通貨業界への規制を始めるだろうとの見通しを示した。

コインテレグラフでは今年7月にも、テイラー氏に仮想通貨のセキュリティと、仮想通貨が証券として分類される可能性についてインタビューを行っている。

今回のインタビューでは、ベネズエラの仮想通貨ペトロのホワイトペーパーの一部がダッシュのホワイトペーパーからの流用であるという指摘についても触れ、テイラー氏は「驚くことではない」と語った。

「それはオープンソースのコードだ。『盗用』という言葉を使うことは非常に難しいが、彼らが重要な部分をコピーしたのだろう」

先週末、日本銀行の雨宮正佳副総裁は講演の中で中央銀行にょるデジタル通貨発行について、「金融政策の有効性向上や金融安定に本当に寄与するのか、検討すべき点が数多く残されている」と慎重な姿勢を示した

その一方で、EU議会の調査では、中央銀行デジタル通貨が仮想通貨マーケットを是正する「改善策」になる可能性があると指摘している。