ナスダック上場のサイファーパンク・テクノロジーズは、約2,900万ドル相当のジーキャッシュ(ZEC)を新たに購入し、仮想通貨の企業トレジャリーを拡大した。
同社が火曜日に発表した内容によると、1トークンあたり平均514ドルで56,418ZECを取得した。この購入により、サイファーパンクの保有残高は290,062.67ZECとなり、流通供給量の約1.76%に相当する。
ジーキャッシュは、2016年にビットコインのフォークとして立ち上げられたプライバシー重視型ブロックチェーンで、ゼロ知識証明を用いて、送信者、受信者、取引額を明かすことなく取引を検証する。ビットコインと同様、ネイティブトークンの供給上限は2,100万枚に設定されている。
サイファーパンクの最高投資責任者であるウィル・マクエボイ氏によると、同社はZECの総供給量の5%取得を目標としており、「プライバシーの社会的重要性が再評価される市場環境において、良好なポジションにある」としている。
同社はもともとリープ・セラピューティクスというバイオテクノロジー企業だったが、11月にジーキャッシュに特化したデジタル資産企業としてサイファーパンク・テクノロジーズに社名変更した。グーグル・ファイナンスのデータでは、株価はリブランド前の0.44ドルから、執筆時点で約1.18ドルまで上昇し、約170%の急騰となっている。
サイファーパンクは、ジェミナイ創業者であるタイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏のベンチャーキャピタルであるウィンクルボス・キャピタルの支援を受けている。

ジーキャッシュ、プライバシー論争の再燃でビットコインを上回る
ジーキャッシュは年初来で800%以上上昇し、1年前の約58ドルから、現在は約536ドルまで値を上げている。一方、ビットコイン(BTC)は同期間で約5%下落している。コインゲッコーのデータが示している。
この値動きの背景には、AIやデジタル化の進展を受けて、2025年にプライバシーを巡る議論が再び活発化したことがあるほか、影響力のある仮想通貨論者からの支持もある。

元ビットメックスCEOのアーサー・ヘイズ氏や、ヘリウス共同創業者のメルト・ムムタズ氏など、複数の業界関係者が、ジーキャッシュのプライバシー機能を、最近の価格上昇の要因として挙げており、そのパフォーマンスは広範なアルトコイン市場を上回っている。
ジーキャッシュ・ファウンデーションのエグゼクティブディレクターであるアレックス・ボーンスタイン氏は、最近の勢いについて、政府権限の拡大やデジタル・プライバシーへの不安が高まる中で生じた実需を反映したものだと、コインテレグラフに語った。
ヘイズ氏は月曜日、Xへの投稿で、ZECの価格が1,000ドル水準への初動に向けた局面を形成している可能性があると記した。また、最近出演したポッドキャストでは、米連邦準備制度理事会による水面下の資金供給手段を通じて流動性が回復する可能性に言及し、そうした環境がゼロ知識技術やZECのようなプライバシートークンに有利に働くとの見方を示した。
一方で、上昇が差し迫っていると見る向きばかりではない。アナリストのエリック・ヴァン・タッセル氏は土曜日、400ドル水準までの「調整的な下落」が起きる可能性を警告した。
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