「ビットコインに代表される仮想通貨(暗号資産)は、いずれ衰退し、すべてがゼロになるだろう」
こう話すのは、伝説的投資家の1人とされるジム・ロジャーズ氏だ。週刊朝日とのインタビューの中で、仮想通貨の未来について「予言」している。
政府ではないアクターが発行するマネーである仮想通貨は、政府が発行する通貨にはない点があるとロジャーズ氏は指摘する。それは国家が持つ強制力、つまり「武力」による裏付けがないということだ。
「仮想通貨を手がけている人たちは、自分たちは『政府より賢い』と考えているようだ。実際、その人たちが言う通りだと私も思う。しかし、仮想通貨を手がけている人たちが持っていないものを、政府は持っている。それは、銃だ。仮想通貨がいずれなくなると私が考えているのは、政府という権力が持つ「武力」という裏付けがないからだ」
ロジャーズ氏が、仮想通貨の未来に悲観的な見方をするのは今回が初めてではない。今年1月のインタビューの中でも、政府が監視することができない通貨は「政府の圧力によって消えていくだろう」と語っている。
ただ、ロジャーズ氏は1月のインタビューの中では、ブロックチェーンについては「最も面白い分野だ」と話している。ブロックチェーンによって「銀行などで多くの職が失わる一方、多くの新たな仕事を生み出すだろう」と指摘し、ブロックチェーンの正しい知識を持つ者が「今後25年で成功できる」と指摘している。